FXプラットフォームのメタトレーダー(MT4・MT5)では、EA(エキスパートアドバイザー)というプログラムをインストールすることで、トレードを自動化できます。
EA自動売買のメリットはこちら。
- FXトレードを完全自動化でき、仕事や家事に専念しやすくなる
- 海外FXブローカーの選択肢が多い
- コピートレードよりカスタマイズ性が高い
- 得られたノウハウを国内FXブローカーに転用できる
特に仕事で忙しくチャートを長時間見られない人は、裁量トレードよりもEA自動売買の方がおすすめです。
ただ自動売買で使うEAは、価格相場が2万円〜3万円と高く、優秀なEAを見つけるのも難しいです。
この記事ではEA自動売買のメリットやデメリット、優秀なEAの見つけ方や相性の良い海外ブローカーなどについてわかりやすく説明していきます。
EA自動売買のメリット
まずはEA自動売買のメリットを見ていきます。
メリット1:FXトレードを完全自動化できる
EA自動売買の最大のメリットは、裁量トレードを完全自動化できること。
一度EAをメタトレーダー(MT4・MT5)にインストールすれば、後はプログラムが勝手にトレードを続けてくれます。
プログラムがトレードをしている間、トレーダーはチャートを見る必要がありません。トレーダーはチャートを見る時間を節約できます。
FXにのめり込むと、膨大な時間を失います。1日中チャートを見続けて収益が得られれば良いですが、赤字になれば時間とお金の両方を失うことになります。
トレードを自動化させてチャートを見る時間を節約し、仕事や家事に専念したいなら、EA自動売買はおすすめです。
メリット2:コピートレードよりも細かい調整がしやすい
EA自動売買は、コピートレードと比べて取引ロット数などを細かく調整できます。
例えばコピートレードの場合、ストラテジープロバイダーの口座残高がフォロワー口座の10倍なら、フォロワー口座の取引ロット数は10分の1に制限されてしまいます。
それに対しEA自動売買なら、取引ロット数を個人の裁量で調整できます。
本来であれば資金1,000ドルにつき0.01ロットが適正な場合でも、さらにリスクを取って取引ロット数を0.1ロットに増やすことも可能となります。
取引ロット数を10倍にすれば、損失は10倍になりますが、利益も10倍になります。
リスク管理に自信があり、収益性をより重視するなら、カスタマイズ性に優れたEA自動売買の方がおすすめです。
メリット3:得られたノウハウを国内FXブローカーに転用できる
EA自動売買がコピートレードよりも優れている点はもう一つあります。それは自動売買で得られたノウハウを国内FXブローカーに転用しやすいこと。
コピートレードは金融庁がサービスを厳しく規制しているため、国内FXブローカーはサービス対応していません。(裁量トレードのコピーのこと。トラリピなどの自動売買は別)
海外ブローカーのコピートレードで安定して利益を稼げるようになっても、そのノウハウを国内FXブローカーに転用しにくいのです。
それに対してEA自動売買ならメタトレーダーに対応している国内FXブローカーで利用できるため、ノウハウを転用しやすいです。
また国内FXブローカーは税制面で海外FXブローカーよりも優遇されているため、資金が1,000万円や1億円を超えているトレーダーは、節税のために国内FXブローカーを使うことが多いです。
将来的に国内FXブローカーをメインで使うなら、EA自動売買の方がおすすめといえます。
メリット4:海外FXブローカーの選択肢が多い
EA自動売買は、ほとんどの海外ブローカーで利用できます。
EAで自動売買をするにはメタトレーダー(MT4・MT5)というプラットフォームが必要ですが、ほとんどの海外ブローカーが対応しているからです。
逆にコピートレードの場合は、プラットフォームが海外FXブローカー専用のものか、cTraderコピーのどちらかになるため、対応している海外ブローカーが限られます。
コピートレードが使える海外ブローカーの代表は、HotForexかTradeviewあたりです。逆に日本人に人気のGemForexやXM、AXIORYなどは対応していません。
GemForexの2万円ボーナスやXMの5万円ボーナスなどを活用したいなら、EA自動売買の方がおすすめです。
EA自動売買のデメリット
次はEA自動売買のデメリットを見ていきます。
デメリット1:EAの価格相場が2万円〜3万円と高め
EA自動売買の最大のデメリットは、自動売買に必要なEAの価格が高いこと。
GogoJungleのEAの価格相場は大体2万円から3万円ほど。高価格帯になると5万円を超えることもあります。
FXに使う最初の資金は10万円を想定しているため、その2、3割をプログラムに使うのは、資金的な負担が大きいと言わざるを得ません。
MQL5や海外FXブローカーのIB契約などで無料で入手することもできますが、最初に使うEAは収益が安定していて、信頼性の高いものが望ましいです。
収益性と信頼性が高いEAが欲しいなら、GogoJungleのランキング上位のEAを買いましょう。中でも「ロンドンは午前7時」はどんな相場でも安定した利益を出すことができ、初心者におすすめです。
デメリット2:リスク分散に複数のEAを購入すると、初期費用が高くなる
2つ目の大きなデメリットは、リスク分散にお金がかかること。
EAでトレードが自動化できても、1つのストラテジーに収益を依存するのは危険なので、複数のEAを同時運用してリスク分散するのが一般的です。
ただEAは1つにつき2万円から3万円と高額なので、10個以上のEAでリスク分散をすると、初期費用だけでも20万円から30万円以上かかってしまいます。
FXの100万円以上なら、これぐらいの費用は許容範囲内かもしれません。ただ資金が10万円前後なら、運用コストの低いコピートレードの方がおすすめです。
デメリット3:運用にはVPS(仮想専用サーバー)の契約が必要
EA自動売買をするには、VPSの契約も必須です。
VPS(仮想専用サーバー)とは、オンラインでレンタルしてパソコンとして使えるサーバーのこと。EAの運用は、24時間稼働できるVPSで行うのが一般的です。
VPSの料金相場は、月額2,000円から3,000円ほど。月額単位だとそれほど高くは無いのですが、年間だと2、3万円と大きな金額になってしまいます。
さらに資金が10万円前後だと得られる利益が少ない、VPSの料金すら回収できないかもしれません。VPSとEAの元手を回収するなら、運用資金は最低50万円から100万円は欲しいですね。
10万円前後の少ない資金で自動売買をするなら、運用コストの低いコピートレードの方がおすすめです。
デメリット4:VPS内部のOSである「WindowsOS」は使いにくい
VPSで使われるOSは、基本的にWindowsOSです。
ただWindowsOSは画面がごちゃごちゃしていて、操作性が悪いため、IPhoneやAndroidに慣れている人だと操作に苦労するでしょう。
さらにVPSではオンラインでパソコンを遠隔操作するため、クリックや入力のレスポンスが遅く、スマホ操作に慣れている人だとストレスを感じやすいです。
WindowsOSを使いたくないなら、VPSが不要なコピートレードの方がおすすめ。
デメリット5:VPSの不具合・再起動により、EAが停止することがある
前述の通り、VPSはWindowsOSで動作します。
ただWindowsOSは予告なしにいきなりアップデートや再起動をするため、パソコンユーザーの間でも評判が良くありません。
自動売買を運用しているときに、WindowsOSが再起動してしまい、EAの運用が止まることもあるでしょう。
もちろんWindowsOSの自動アップデートを停止させる方法もありますが、そうした設定をするのにも高度なITリテラシーが必要となります。
パソコンやサーバーの操作が苦手な方は、WindowsOSが不要なコピートレードを使いましょう。
デメリット6:コピートレードよりも月間利益率が低い(月利5%〜10%)
EA自動売買はコピートレードよりも月間利益率が低めです。目安としてコピートレードが月利20%〜30%なら、EAは月利5%〜10%ほどでしょうか。
ただこれは資金1,000ドルに対し0.01ロットで運用した場合であって、取引数量を0.1ロットに増やした場合はその限りではありません。
大半のEAはデフォルトの設定だと0.01ロットになってることが多いですが、取引ロット数を増やすことで、コピートレードよりも高い利益率を出すことも可能です。
EAはデフォルトの設定だと利益率が低いですが、リターン重視のカスタマイズをすることで利益率を上げられるのです。
デメリット7:同じEAの利用者が多いと、ポジションの優位性を保てなくなる
EAは同じEAを使う人が多すぎると、ポジションの優位性が保てなくなり、利益が分散することがあります。
FXトレードはチャートの動きの予測できた人がお金をもらえるゲームです。ただ同じ予測をする人が増えすぎると、利益が分散してしまい、EAの利益率も下がってしまう恐れがあるのです。
自動売買トレーダーにとって、収益性の高いEAの利用者が増えることはEAの利益率ダウンにつながるので、本当に優秀なEAは秘匿されやすいです。
情報交換などで優秀なEAを教える機会はありますが、それはTwitterのDMや直接会ったときに行われることが多く、オープンな場で公開することは少ないです。
収益性の高いEAは、自分で探し出すものと心得ておきましょう。
デメリット8:収益性の高いEAを探すのは難しい
収益性の高いEAを探すのは難しいです。
あるEAが優秀であることが知れ渡ると、そのEAの利用者が増えてしまい、EAの利益が分散してしまうからですね。
また一部のEA開発者は販売収益を増やすために、バックテストのデータを改ざんしたり、フォワードテストを意図的に隠したりすることもあります。
優秀なEAを見つけるには、EAの目利きができるようになる必要があるのです。
デメリット9:経済指標による急騰・急落に弱い
EAは経済指標による急騰・急落に弱いです。
裁量トレードやコピートレードだと経済指標の直前はトレードを控えることもできますが、EAの場合はトレーダーが手動でEAを停止させる必要があります。
特にナンピン・マーチンゲールEAは、経済指標による急騰・急落に非常に弱いため、経済指標の直前はEAを止めることを推奨しています。
中には経済指標を察知して、トレードを控えるEAもありますが、それも完全ではありません。
ナンピン・マーチンデールEAを使うなら、経済指標をこまめに確認しましょう。
EA自動売買を始める前に知っておきたいこと
ここからはEA自動売買を始める前に知っておきたいことをまとめておきます。
EA(エキスパートアドバイザー)の入手・購入方法
EA(エキスパートアドバイザー)は、EA販売サイトで購入できます。
代表的な販売サイトは以下の3つ。
- GogoJungle:国内最大級のEA販売サイト
- LET’S LEAL:GogoJungleの次に有名なEA販売サイト
- MQL5:メタトレーダーのフォーラムサイト。無料EAも多い
EA自動売買が初めてなら、まずはGogoJungleがおすすめ。GogoJungleはEAごとにフォワードテストを公開しており、バックテスト詐欺のリスクが低いです。
GogoJungleに慣れてきたら、LET’S LEALも併用しましょう。GogoJungleで取り扱っていない優秀なEAを掘り出せるかもしれません。
3つ目のMQL5はメタトレーダーのフォーラムサイトですが、EAの販売プラットフォームも兼ねています。
優秀なEAを50ドル前後で入手したり、機能制限された無料EAをダウンロードしたりできます。ただサイトは英語表記が基本で、EAのフォワードテストも公開されていないため、上級者以上向けです。
EA初心者はGogoJungleで「ロンドンは午前7時」などの人気商品から使い始め、EAの運用に慣れてきたらMQL5で格安EAを探す流れがおすすめです。
優秀なEAの探し方・選び方
EA自動売買で安定した利益を出すなら、収益性の高い優秀なEAを見つけることが重要。
優秀なEAの判断基準はこちら。
- フォワードテストの収益が右肩上がり
- 勝率は60〜70%以上
- プロフィットファクターが1.2以上
- 最大ドローダウンは20%以下
- 平均利益が平均損失より高い(もしくは同じくらい)
- 取引回数が週2〜3回以上
これらの項目を満たしているEAは収益性が高く、安定した利益を出し続ける可能性が高いです。
EAの数が多すぎて選べないなら、まずはGogoJungleの「ロンドンは午前7時」がおすすめ。収益性は控えめですが、大損を抱えるリスクが低く、安定した利益を出しやすいです。
他にも優秀なEAが欲しいなら、GogoJungleの売れ筋ランキングから探しましょう。みんなが使っているメジャーのEAの方が、安定して利益を出せる可能性が高いです。
ただ利用者が1,000人を超えるとポジションの優位性が保てなくなるため、このあたりはバランスよく考えて購入を検討しましょう。
EA自動売買におすすめの海外FXブローカー
EA自動売買で安定した利益を出すなら、ブローカー選びも重要です。
FXブローカーのスプレッドや約定力が優秀なら、スプレッドが広がりにくくなり、自動売買の利益率もアップします。
EA自動売買と相性の良い海外ブローカーはこちら。
- AXIORY:最大10口座開設でき、会員ページも使いやすい
- HotForex(MT5対応):HotForexコピートレードと併用できる
- Tradeview(MT5対応):cTraderコピートレードと併用できる
- TradersTrust:VIP口座の取引手数料が破格(1ロット往復3ドル)
EA自動売買が初めてなら、まずはAXIORYの「MT4 ナノスプレッド口座」がおすすめ。
AXIORYは口座開設が簡単で、会員ページもシンプルな作りなので、日本人利用者でも使いやすいです。
またリアル口座も最大10口座開設でき、追加口座の開設手続きも簡単なため、複数口座によるEAのポートフォリオも組みやすいです。
HotForexコピートレードと併用するならHotForexの「ゼロスプレッド口座」、cTraderコピートレードと併用するならTradeviewの「MT4 ILC口座」もおすすめ。
FX資金200万円が用意できるなら、TradersTrustの「VIP口座」も検討しましょう。取引手数料が1ロット往復3ドルと破格です。
EA自動売買におすすめのVPS(仮想専用サーバー)
自動売買をするなら、VPSの契約も必須です。EAの運用では24時間パソコンを起動し続けることが前提となるからです。
VPS(仮想専用サーバー)のおすすめはこちら。
- お名前.comデスクトップクラウド:日本語対応で、ウェブサイトが使いやすい
- CONTABO:日本語非対応だけど、料金が安い(1,300円くらい)
EA自動売買が初めてなら、まずはお名前.comデスクトップクラウドがおすすめ。運営会社がIT最大手のGMOグループなので、わからないことがあっても気軽に日本語で質問できます。
デメリットは料金が2,500円前後と若干高めなこと。数年単位で運用し続けるなら、もっと月額料金の安いVPSに切り替えましょう。
VPSの料金を節約するなら、CONTABOがおすすめ。こちらはWindowsOSのレンタルとセットで料金を月額1,300円ほどに抑えられます。
まとめ:パソコン操作が苦手なら、コピートレードの方がおすすめ
ここまでEA自動売買のメリットとデメリットについてわかりやすく解説してきました。
EA自動売買の主要なメリットはこちら。
- FXトレードを完全自動化できる
- 海外FXブローカーの選択肢が多い
- コピートレードよりカスタマイズ性が高い
EA自動売買の最大の長所は、やはりトレード自動化できること。
一度EAを起動すれば後はプログラムが勝手にトレードを続けてくれるため、チャートを見る時間を大幅に節約でき、仕事や家事に専念しやすくなります。
またEA自動売買は、コピートレードと違ってプラットフォームにあまり依存しないため、海外ブローカーの縛りも少なく、入金ボーナスの豊富な海外ブローカーでも利用できます。
例えばGemForexの2万円ボーナスやXMの5万円ボーナスを活用したいなら、コピートレードよりも自動売買の方がおすすめです。
ただEA自動売買は初期費用が高いというデメリットもあるため、資金が少ない方はHotForexのコピートレードやcTraderのコピートレードを推奨しています。