ForexEAdvisorは、無料でMT4のEA(自動売買プログラム)を開発できるツールです。
ウェブブラウザ上で動作するため、ソフトウェアをダウンロード・インストールする必要がなく、MacOSやChromeブラウザでも動作します。
ただ表記が全て英語なので、わからないことがあった場合は、自力でMQL4のプログラム用語などを調べる必要もあります。
日本語でEAを開発したいなら、GogoJungleの「EAつくーる」の方がおすすめ。
この記事ではForexEAdvisorの使い方を解説します。
ForexEAdvisorの基礎知識
まずはForexEAdvisorの基礎知識から見ていきましょう。
利用料金は無料
ForexEAdvisorの利用料金は無料です。
何年使っても、何回使っても手数料が取られないため、EAを開発し放題です。そのため資金の少ないEA開発者におすすめ。
ウェブブラウザ上で動作するため、MacOSでも開発可能
ForexEAdvisorは、ウェブブラウザ上だけで完結します。
専用のソフトウェアをダウンロード・インストールする必要がなく、MacOSやChromeブラウザでも使えるわけですね。
FX関連のツールは、Widnows専用でインストールするタイプが多いですが、ForexEAdvisorはブラウザタイプなのでパソコンのOSは関係ありません。
MacOSでEAの開発をするなら、まずはこのForexEAdvisorから試してみましょう。
MT5のEAも作れる(MQL5対応)
またForexEAdvisorは、MQL5にも対応しており、MT5のEAを作ることもできます。
操作画面もMT4のEAを開発する時とほぼ同じ。
MT5向けのEAを開発するなら、ぜひForexEAdvisorを活用してみましょう。
ヘッダー削除は著作権侵害になることも
ForexEAdvisorで開発したEAは、基本的に自由に使えますが、ヘッダーを削除すると著作権侵害になることがあります。
家際にForexEAdvisorで開発したEAのコードを確認しましょう。
//+——————————————————————+
// DO NOT DELETE THIS HEADER
// DELETING THIS HEADER IS COPYRIGHT INFRIGMENT
//
// Copyright ©2011-2020, ForexEAdvisor.com
// ForexEAdvisor Strategy Builder version 0.3
// https://www.ForexEAdvisor.com
//
// THIS EA CODE HAS BEEN GENERATED USING FOREXEADVISOR STRATEGY BUILDER 0.3
// on: 4/12/2021 1:44:37 AM
// Disclaimer: This EA is provided to you “AS-IS”, and ForexEAdvisor disclaims any warranty
// or liability obligations to you of any kind.
// UNDER NO CIRCUMSTANCES WILL FOREXEADVISOR BE LIABLE TO YOU, OR ANY OTHER PERSON OR ENTITY,
// FOR ANY LOSS OF USE, REVENUE OR PROFIT, LOST OR DAMAGED DATA, OR OTHER COMMERCIAL OR
// ECONOMIC LOSS OR FOR ANY DIRECT, INDIRECT, INCIDENTAL, SPECIAL, STATUTORY, PUNITIVE,
// EXEMPLARY OR CONSEQUENTIAL DAMAGES WHATSOEVER RELATED TO YOUR USE OF THIS EA OR
// FOREXEADVISOR STRATEGY BUILDER
// Because software is inherently complex and may not be completely free of errors, you are
// advised to verify this EA. Before using this EA, please read the ForexEAdvisor Strategy Builder
// license for a complete understanding of ForexEAdvisor’ disclaimers.
// USE THIS EA AT YOUR OWN RISK.
//
// Before adding this expert advisor to a chart, make sure there are NO
// open positions.
// DO NOT DELETE THIS HEADER
// DELETING THIS HEADER IS COPYRIGHT INFRIGMENT
//+——————————————————————+
英語で長々と書かれているため、Google翻訳で日本語に翻訳します。
// + ———————————————– ——————- +
//このヘッダーは削除しないでください
//このヘッダーの削除は著作権侵害です
//
// Copyright©2011-2020、ForexEAdvisor.com
// ForexEAdvisor StrategyBuilderバージョン0.3
// https://www.ForexEAdvisor.com
//
//このEAコードは、FOREXEADVISOR STRATEGY BUILDER0.3を使用して生成されています
//オン:2021年4月12日1:44:37 AM
//免責事項:このEAは「現状有姿」で提供され、ForexEAdvisorはいかなる保証も否認します
//またはあらゆる種類のあなたに対する責任義務。
//いかなる状況においても、FOREXEADVISORはあなた、またはその他の個人や団体に対して責任を負わないものとします。
//使用の損失、収益または利益、データの損失または損傷、またはその他の商用または
//経済的損失、または直接的、間接的、偶発的、特別、法定、懲罰的、
//このEAまたはの使用に関連する例示的または結果的な損害
// FOREXEADVISOR STRATEGY BUILDER
//ソフトウェアは本質的に複雑であり、完全にエラーがないわけではないため、
//このEAを確認することをお勧めします。このEAを使用する前に、ForexEAdvisor StrategyBuilderをお読みください
// ForexEAdvisorの免責事項を完全に理解するためのライセンス。
//このEAはご自身の責任で使用してください。
//
//このエキスパートアドバイザーをチャートに追加する前に、NOがないことを確認してください
//ポジションを開きます。
//このヘッダーは削除しないでください
//このヘッダーの削除は著作権侵害です
// + ———————————————– ——————- +
要約すると、
- ヘッダーを削除してはいけない
- このEAを使って不利益を被った時、ForexEAdvisorは責任を負わない
の2点にまとめられます。
ForexEAdvisorで開発したEAは、自己責任で運用しましょう。
ForexEAdvisorでEAを開発する流れ
ここからはForexEAdvisorでのEAの作り方を見ていきます。
4つのタブで売買条件を設定する
まずForexEAdvisorでは4つのタブで売買条件を設定します。
それぞれ4つのタブの意味はこちら。
- Open Buy:買い注文
- Open Sell:売り注文
- Close Buy:買い注文をクローズ
- Close Sell:売り注文をクローズ
ただ「Option」タブで損切りと利確を設定をすれば、決済(クローズ)の設定をする必要はなくなります。
1つ目の項目で指標にするインディケーターを選ぶ
ForexEAdvisorでは4つのタブそれぞれで売買条件を設定します。
売買条件は主に2つの要素で決定します。
- インジケーターやテクニカル指標の設定
- ローソク足や時間等の設定
まずは1つ目の項目で、利用するインジケーターを設定しましょう。
ForexEAdvisorで使えるインジケーターは以下の通り。
- AC(Accelerator/Decelerator):アクセラレータ・オシレーター
- AD(Accumulation/Distribution):蓄積/配信ラインインジケーター
- ADX(Movement directional index):平均方向性指数
- Alligator:アリゲーター
- AO(Awesome oscillator):AOオシレーター
- ATR(Average true range):アベレージ・トゥルー・レンジ
- Bollinger bands:ボリンジャーバンド
- Bears Power:ベアパワー
- Bulls Power:ブルパワー
- BWMFI(Bill Williams Market Facilitation index):マーケット・ファシリテーション・インデックス
- CCI(Commodity channel index):商品チャンネル指数
- DeMarker:デマーカー
- Envelopes:エンベロープ
- Force index:勢力指数
- Fractals:フラクタル
- MA(Moving Average):移動平均
- MACD:マックディー
- MFI(Money flow index):マネーフローインデックス
- Momentum:モメンタム
- OBV(On Balance Volume):オン・バランス・ボリューム
- RSI(Relative strength index):相対力指数
- SAR(Parabolic Stop and Reverse):パラボリックSAR
- Standard Deviation:標準偏差
- Stochastic:ストキャスティクス
- WPR(William’s percent range):ウィリアムパーセントレンジ
たくさんありますが、この中でよく使われるのは、移動平均線、ボリンジャーバンド、RSIあたりですね。
2つ目の項目で取引ルールを完成させる
1つ目の項目で利用するインディケーターを決めたら、2つ目の項目でより詳細な条件を設定します。
例えば以下のケースだと、1つ目でボリンジャーバンドを設定し、2つ目で終値を設定していますね。
この場合はローソク足の終値がボリンジャーバンド(-2σ)にタッチしたら、自動で買い注文をする設定になっています。
2つ目の項目で設定できる内容は以下の通り。
- Ask:トレーダーが買う価格
- Bid:トレーダーが売る価格
- Close:終値
- High:高値
- Low:安値
- Open:始値
- Value:任意の値
- Hour:サーバー時間の時(0〜23)
- Minute:サーバー時間の分(0〜59)
上6つの「Ask/Bid/Close/High/Low/Open」はローソク足の価格条件を決めるもの。
他にも「Value」はRSIなど特定の数値を設定するときに、「Hour/Minute」などは売買時間を設定するときに使います。
例えば上記の場合だと「取引は15時から23時まで行う」という条件になります。
EAの稼働時間を取引の活発な時間帯のみに絞ることで、EAの利益率を高めることができます。
「Options」タブで詳細設定する
「Options」タブでは取引ロット数や損切り・利確の設定をおこないます。
オプションの設定項目は以下の通り。
- Expert Magic Number:マジックナンバーの設定(マジックナンバーとは?)
- Lots:取引ロット数
- Stop Loss:損切りライン
- Take Profit:利食いライン
- Trailing Stop:トレーリングストップ
- Use MM(Money Management):複利運用を使うか
損切り・利確ラインを設定しておくことで、ポジションのクローズ条件を設定する必要がなくなります。損切り・利確を使わない時は「0」と入力しましょう。
トレーリングストップは、損切りと利確のラインをずらせる機能。トレンド相場で損失を最小にしつつ、利益の最大化を狙えます。
複利運用(Money Management)は、口座残高が増えるごとに、取引ロット数を自動で増やす機能。EAの長期的に運用するなら、チェックを入れましょう。
「Expert Adviser Code」タブでEAコードを生成する
売買条件の設定が終わったら、「Expert Advisor Code」のタブで左上の「Generate」ボタンを押して、EAコードを生成します。
また名前をつけて「Save」ボタンを押すことで、EAコードをMQL4ファイルとして保存できます。
ForexEAdvisorでボリンジャーバンドの逆張りEAを作ってみた
ここからは実際にForexEAdvisorでEAを作ってみます。
トレードロジックはボリンジャーバンドによる逆張りです。
手順1:テクニカル指標とトレードロジックを決めておく
まずはEAで使用するテクニカル指標と基本的なトレード手法を決めておきましょう。
今回はテクニカル指標はボリンジャーバンドを使います。
トレード手法は、ボリンジャーバンドで2σを超えたら逆張りの売り注文をおこない、-2σを超えたら逆張りの買い注文をおこなうもの。
cTraderのチャートで表すとこんな感じですね。
後はトレード手法をEA向けに加工しましょう。
今回は既に有料noteで書いている人がいるため、部分的に引用しておきます。
【買いエントリー】
●ローソク足(終値)が、下側のボリンジャーバンド(期間:14、偏差:2.0)を下抜いたら「買い」
↓↓↓
●売買条件1
・2本前のローソク足終値 > 2本前の期間14のボリンジャーバンド -2.0
かつ(and)
●売買条件2
・1本前のローソク足終値 < 1本前の期間14のボリンジャーバンド -2.0【売りエントリー】
・ローソク足(終値)が、上側のボリンジャーバンド(期間:14、偏差:2.0)を上抜いたら「売り」
↓↓↓
●売買条件3
・2本前のローソク足終値 < 2本前の期間14のボリンジャーバンド +2.0
かつ(and)
●売買条件4
・1本前のローソク足終値 > 1本前の期間14のボリンジャーバンド +2.0
ローソク足がボリンジャーバンドの2σを抜けたかどうかを判断するために、1本前と2本前のローソク足でそれぞれ2つの条件を設定します。
手順2:買い注文の条件を設定する
トレードロジックを理解したところで、ForexEAdvisorで設定しましょう。
まずは買い注文の設定から。
ローソク足がボリンジャーバンドの-2σに到達したら、逆張りの買いポジションをすると言う話でした。
もう一度買い注文の条件を確認しましょう。
【買いエントリー】
●ローソク足(終値)が、下側のボリンジャーバンド(期間:14、偏差:2.0)を下抜いたら「買い」
↓↓↓
●売買条件1
・2本前のローソク足終値 > 2本前の期間14のボリンジャーバンド -2.0
かつ(and)
●売買条件2
・1本前のローソク足終値 < 1本前の期間14のボリンジャーバンド -2.0
上記の内容をForexEAdvisorに落とし込むと、以下のようになります。
ボリンジャーバンドの設定項目が英語で書かれているので、簡単に解説しておきます。
- TimeFrame:時間足(5分足、1時間足など)
- Period:期間(20が一般的)
- Deviation:標準偏差(2σなど)
- Bands Shift:バンドの平行移動(0が一般的)
- Price:価格(今回は終値)
- Mode:MODE_UPPERは上のバンド、MODE_LOWERは下のバンド
- Shift:取得するバーの位置(1本前なら1)
MQL4でのボリンジャーバンド設定については、こちらのページが参考になります。
手順3:売り注文の条件を設定する
次は売り注文の設定を行います。
念のため条件を確認しておきましょう。
【売りエントリー】
・ローソク足(終値)が、上側のボリンジャーバンド(期間:14、偏差:2.0)を上抜いたら「売り」
↓↓↓
●売買条件3
・2本前のローソク足終値 < 2本前の期間14のボリンジャーバンド +2.0
かつ(and)
●売買条件4
・1本前のローソク足終値 > 1本前の期間14のボリンジャーバンド +2.0
上記の条件を設定に落とし込むと、こんな感じになります。
これでボリンジャーバンドで逆張りを行う設定ができました。
またこのEAでは損切りと利確を設定するため、ポジションクローズの設定をする必要はありません。
手順4:詳細設定を行う
次は「Options」タブで詳細設定を行います。
ここで設定するのは、ストップロス・テイクプロフィットの2つ。
今回は逆張りのEAなので、ストップロスは広めに50ピップス、テイクプロフィットは控えめに10ピップスと設定します。
取引ロット数は0.01ロットか0.1ロットが標準ですが、より大きな利益を狙うなら、もっと大きな数値を設定してもいいでしょう。
最後の「Use MM」は、複利運用の設定です。利益率を重視した上で、長期運用するならチェックを入れましょう。
手順5:EAコードを生成する
「Expert Advisor Code」のタブに移動して、左上の「Generate」ボタンをクリックすれば、EAコードが自動生成されます。
また開発したEAに名前をつけて、MQL4ファイルとして保存することもできます。
ForexEAdvisorでは、ブラウザタブを閉じると、設定内容や表示したコードが全て消えてしまいます。優秀なEAを開発できたら、忘れずに保存しておきましょう。
ForexEAdvisorで作ったEAをMT4に設定する方法
ここからはForexEAdvisorで開発したEAを設定する方法をまとめておきます。
手順1:MT4でメタエディターを開く
まずはデスクトップ版のMT4を起動して、メニューから「メタエディター」を開きましょう。オレンジ色の冊子ボタンが目印です。
なおデスクトップ版MT4は、メタトレーダー公式サイトからはダウンロードできません。なぜかMT5がダウンロードされます。
MT4のダウンロードは、利用している海外ブローカーの公式サイトから行ってください。例えばXMを使っているなら、XMの「MT4ページ」からといった具合ですね。
手順2:新規作成でテンプレートを作成する
メタエディターを開いたら、左上の「新規作成」ボタンをクリックします。
手順3:EAコードをテンプレートに上書きコピペする
「新規作成」ボタンからEAのテンプレートを作ったら、ForexEAdvisorのEAコードをそのまま上書きコピペします。
クラウドサービスなどでMQL4ファイルを受け渡す方法もありますが、EAコードをそのままコピペしたほうが楽です。
手順4:EAをコンパイルする
EAコードのコピペができたら、メニューの上にある「コンパイル」ボタンをクリックして、コンパイルを行います。
コンパイルでエラーや警告などが出なければ、MT4の画面に戻って、EAのセッティングに移ります。
手順5:MT4の「ナビゲーター」からEAをチャートにドラッグする
コンパイルが終わると、MT4の「ナビゲーター」にコンパイルしたEAが表示されます。
このEAをチャートにドラッグすれば、EAの設定は完了です。
ForexEAdvisorではナンピン・マーチンゲールEAは作れない
ForexEAdvisorの欠点は、ナンピン・マーチンゲールの設定ができないこと。
うまく条件を設定すればできるのかもしれませんが、クリック1つで簡単にできる機能は備わっていません。
ナンピン・マーチンEAを作るなら、GogoJungleの「EAつくーる」がおすすめ。月額2,000円ほどかかりますが、ワンクリックでナンピン・マーチンの設定ができます。
詳しい設定内容などは、こちらの記事が参考になります。
まとめ:無料でEAを作るなら、ForexEAdvisorはおすすめ
ここまでForexEAdvisorの使い方や設定方法をわかりやすく解説してきました。
ForexEAdvisorは、無料で使えるEA開発ツールです。操作がウェブブラウザだけで完結するため、MacOSやChromeブラウザでも利用できます。
FX関連のツールは、WindowsOSが前提となっていることが多いため、MacOSユーザでも使えるのはありがたいですね。
ツールを使うにあたって、プログラミング言語もを体得する必要もありません。最低限のトレードロジックを理解していれば、簡単なEAをすぐに作れます。
デメリットは、日本語に対応していないこと、そしてナンピン・マーチンの設定が簡単にできないことでしょうか。
日本語でEAを開発したい、もしくはナンピン・マーチンEAを作りたい場合は、GogoJungleの「EAつくーる」を使った方が良いでしょう。
詳しい設定内容などは、こちらの商品ページで確認できます。