海外FXは国内FXと比べて税金が高いです。
海外FXに適用される総合課税と累進課税は税率が高く、青色申告の控除も適用されず、税制的に冷遇されているからです。
そのため節税のために法人口座を開設するトレーダーもいます。
残念ながら、XMでは法人口座を開設できません。
それでも将来海外FXで大きく稼ぐなら、法人口座について知っておいたほうがよいです。
この記事では、
- 法人口座対応の海外FX業者
- 法人口座を作るメリット・デメリット
- 法人口座を作る手順
などを解説することにしました。
記事を読み終わる頃には、法人口座のざっくりとした理解を得られるはずです。
XMで法人口座は作れない
残念ながら、XMでは法人口座を作れません。以前は法人口座を開設できたのですが、現在は新規の受付を停止しています。
受付停止の理由は明らかになっていません。
海外FXで法人口座つくりたいなら、他の海外FX業者で口座開設しましょう。
法人口座を開設できないことは、XMの「トップページ→よくある質問」で確認できます。
法人口座を作れる海外FX業者
法人口座を開設できる海外FX業者はいくつもあります。
その中でも評判が良いのがこの4つ。
- Tradeview:取引手数料がとても低い(1ロット往復5ドル)
- AXIORY:cTraderが使える
- iForex:ロスカットライン0%、銘柄が豊富
どのブローカーも金融ライセンスを取得しており、信頼性も高いです。
ここからはそれぞれの業者の特徴を見ていきます。
Tradeview
法人口座を作るなら、まずはTradeviewがおすすめ。
TradeviewのECN口座の取引手数料は、1ロット往復5ドルと最低クラス。資金量の多い法人口座でも、取引コストを安く抑えることができます。
詳しくはTradeviewの「法人口座開設ページ」をご覧ください。
AXIORY
AXIORYは取引ツール「cTrader」が使えるFX業者。
cTraderは約定スピードが速く、スキャルピングトレードと相性が良いです。
スプレッドも狭く、ECN口座の手数料も1ロット6ドルと低め。スキャルピングトレードとの相性の良さではTitanFXと同レベルです。
デメリットは入金・出金でbitwalletが使えないこと。bitwalletを使いたいならTitanFXを選びましょう。
詳しくはAXIORYの「法人口座について」をご覧ください。
iForex
iFOREXは、銘柄が600種類と非常に多いのが特徴。
またロスカットラインも0%と非常に低く、ロスカットギリギリのハイリスクなトレードも可能。
デメリットは取引ツール「MT4」が使えないこと。もちろんEAによる自動売買もできません。
詳しくはiFOREX公式サイトをご覧ください。
海外FXで法人口座を作るメリット
海外FXで法人口座を作るメリットは以下の通り。
- 7年の繰越控除で、大幅な節税ができる
- 税率が30%と低い(個人は最大50%)
- 経費の幅が広がる
- 個人トレーダーよりも優遇を受けられることも
- 社長の肩書きを得られる
税金関連の優遇が大きく、大幅な節税が見込めそうです。
それぞれのメリットに見ていきましょう。
7年の繰越控除で、大幅な節税ができる
法人口座では7年間の損失繰り越し控除が認められています。
個人トレーダーだと以下の通り。
- 国内FXの個人トレーダー:3年間
- 海外FXの個人トレーダー:繰越できない
そう比べると、法人口座は税制的に優遇されていることがわかりますね。
ちなみに損失繰り越し控除とは、前年度のFXの損失額を、今年度のFXの利益額から差し引いて課税所得とすること。
繰り越し控除を使うことで、課税所得を圧縮でき、大きな節税効果が見込めます。
税率が低くなる(法人は15%〜25.5%。個人は最大55%)
海外FXには累進課税と総合課税が適用され、どちらも税率が高めです。
特に個人トレーダーが海外FXで大きな利益を出すと、最大55%の税金が課せられ、利益を残しにくくなります。(課税所得4,000万円以上の場合)
それに対し海外FXの法人口座で利益を出した場合、税率は15〜25.5%と低く抑えられます。(資本金1億円以下の場合)
海外FXで数千万、数億もの利益を出しているなら、法人化することで大幅な節税効果が見込めるはずです。
経費の幅が広がる
海外FXトレーダーが法人成りすることで、経費で落とせる出費の幅が広がります。
個人トレーダーでは経費として落とせなかった出費も、法人であれば経費にできるのです。
法人成りで使えるようになる節税テクニックは以下の通り。
- 給与所得控除
- 家族を従業員にして、所得の分散化
- 所得控除の適用(配偶者控除38万円、扶養控除38万円など)
- 退職金の損金化
- 小規模企業共済
- 自宅の社宅化
FXは出費の少ないビジネスなので、個人事業主だと経費で落とせる出費が限られます。支払う税金も大きなものになるでしょう。
しかし海外FXトレーダーが法人成りすることで、法人の節税テクニックをそのまま利用できるようになるのです。
海外FXは税金が非常に高いので、無策だと税金をガッツリ取られます。節税の知識は身につけておきたいですね。
個人トレーダーよりも優遇を受けられることも
海外FXの法人口座を開設すると、ブローカーによってはスプレッドを優遇してもらえることがあります。
法人は個人よりも取引額が大きいため、スプレッドを狭くしても採算が取れますからね。
例えばFBSという海外FX業者は、豪華なロイヤリティプログラムを用意しており、VIP会員は他のトレーダーよりも優遇してもらえます。
上位ステータスになるには、海外FX業者でたくさんトレードして、信用を積み上げる必要があります。
FBSのロイヤリティプログラムは他と比べて豪華なので、取引通貨量の多いトレーダーは検討しましょう。
詳しくはFBS公式サイトをご覧ください。
社長の肩書きを得られる
これは海外FXと直接関係ありませんが、法人成りすることで社長の肩書きを得られます。
人間は権威に弱い生き物で、「社長は無条件に偉い人間」と思い込んでしまいます。
家族や親戚からは立派な人間だと思われますし、男性は女性にモテやすくなるでしょう。
さらには社長の経験を履歴書に書けば、就職が有利になる可能性も高いです。
法人成りは時間とお金と手間がかかりますが、それに見合うだけの社会的信用を得られます。
海外FXで法人口座を作るデメリット
もちろん法人口座にも悪い面はあります。
デメリットは以下の通り。
- 法人設立・確定申告の手続きが面倒
- FXが赤字でも、税金がかかる
- お金を自由に使えなくなる
確かに法人は節税効果が高いですが、相応の労力がかかります。
ではそれぞれのデメリットを見ていきましょう。
法人設立・確定申告の手続きが面倒
法人口座を作るには、まず法人設立が必須。
法人を設立するには、会社登記申請や定款作成、印鑑証明書の取得などの様々な手続きが必要になります。
兼業トレーダーだと十分な時間を捻出するのは難しいでしょう。
さらに会社の設立費用も高額です。定款印紙代で4万円、公証人の認証手数料で5万円、それ以外の手数料も含め25万円ほどかかります。
海外FX用の法人を設立するには、相応の労力がかかるのです。
FXが赤字でも、税金がかかる
FXトレードが赤字でも、法人を維持するのにお金がかかります。
中でも代表的な費用は以下の2つ。
- 地方税の均等割:7万円〜18万円
- 税理士の顧問契約:5万円〜50万円
特に海外FXのようなハイリスク投資は、収入の浮き沈みが激しいです。
法人を設立して節税に成功しても、税金などを払えるお金を残しておきましょう。
お金を自由に使えなくなる
法人で稼いだお金は、基本的に会社のものです。たとえ社長でも好き勝手には使えません。
社長が会社のお金を使うには、会社から社長に役員報酬を支払う必要があります。役員報酬は1度決めたら1年間変更できず、好きな時に増やせません。
さらに会社のお金を好き勝手に使ってしまうと、会社から社長の賞与とみなされ、税制的に不利な扱いを受けます。
法人を作ると、社長でも自由にお金を使えなくなるのです。
自由に使う方法はありますが、高度な税金の知識が必要です。
法人口座を作るのに必要なもの
法人口座を作るのに必要な書類は4種類。
- 法人確認書類(登記簿謄本・設立定款のコピー)
- 法人の現住所を確認する書類(公共料金の明細書など)
- 本人確認書類(免許証・パスポートなど)
- 本人の現住所を確認する書類(公共料金の明細書・健康保険証など)
これらを海外FX業者のサイトにアップロードする形で提出します。
登記簿謄本の入手方法
海外FXで法人口座を作るには、登記簿謄本が必要になります。
登記簿謄本は法務局で入手でき、手続きの方法は3種類。
- 法務局に出向いて申請し、受け取る
- 法務局のサイトで申請し、郵送で受け取る
- オンラインで申請し、法務局で受け取る
この中からオンラインで申請を済ませるのが1番簡単ですね。
登記簿謄本のオンライン申請は、法務局の「登記事項証明書等の請求」から行います。
手続きをもっと簡単に済ませたいなら「Graffer」というサービスを使ってみましょう。書類請求の手続きがスムーズになります。
法人口座は節税メリットが大きいが、手間もかかる
海外FXトレードで法人口座を開設すると、税制上の大きなメリットを受けられます。
7年間の繰り越し控除ができ、税率は15〜25%に抑えられ、使える節税テクニックの幅も広がるからです。
ただし法人の設立には相応の時間と労力とお金がかかります。だから兼業トレーダーが法人口座を設立することは難しいでしょう。
まずは個人トレーダーとして腕を磨き、専業トレーダーとして大きな利益を出せるようになってからでも遅くはないはずです。
XMの個人口座開設は、XMの「口座開設ページ」から行えます。