MT4とMT5は、どちらも世界的に有名なFX取引ツールです。
では具体的な違いはなんなのでしょうか?
この記事ではMT4とMT5の違いを、メリット・デメリットの観点から解説していきます。
MT4のメリット:EA自動売買やインディケーターが豊富
取引ツール「MT4」のメリットは以下の通り。
- 分析ツールやインディケータの種類が多い
- 自動売買プログラム(EA)の種類が多い
- Mac OSでも利用できる
- スマホやタブレットでもアプリを使えば利用できる
- チャートのカスタマイズ性が高い
それぞれのメリットを順に見ていきます。
分析ツールやインディケータの種類が多い
MT4の最大の特徴は、分析ツールやインジケータの種類が多いこと。
既にインストールされている30種類のインディケータだけでなく、他の人が開発したインジケータを使うこともできます。
インディケータの例としては、移動平均線・一目均衡表・ボリンジャーバンドなどのトレンド系や、MACD・RSIなどのオシレーター系などがあります。
ほかにも自動発注ツールや、任意のタイミングでアラームを出すツールなども利用可能。
これらのツールはネット上で無料配布されているほか、MQL5のフォーラムページからもダウンロードできます。
自動売買プログラム(EA)の種類が多い
MT4の2つ目に大きなメリットは、自動売買プログラム(EA)の種類が多いこと。
MT4は取引ツールとしての歴史が長く、利用者が非常に多いです。
そのため自動売買プログラムのマーケットも大きく、MT4向けの自動売買プログラムを作っている人も多いのです。
それに対し最近出始めたMT5だと、まだ利用者が少ないため、自動売買プログラムの市場もそこまで多くありません。MT5ではMT4のEAが使えないのも辛いところ。
したがって海外FXで自動売買トレードをするなら、MT4が1番おすすめです。
MT4の自動売買プログラムを使ってみたいなら、 MQL5のMT4エキスパートにアクセスしましょう。
Mac OSでも利用できる
MT4はMac OSでも利用できます。以前はWindowsでしか使えませんでしたが、最近はMac OSでも使えるようになっています。
マイナーなFXツールだとWindowsしか対応しておらず、Macユーザーは不便を強いられることが多いですが、MT4ならその心配はありません。
これもひとえにMT4の利用者が多く、マーケットが広いからですね。
MT4のプラットフォームは、MetaQuotes社のMetaTrader4、もしくはXMの取引プラットフォームでダウンロードできます。
無料で利用できるので、FXに興味のある方は気軽に試してみましょう。
スマホやタブレットでもアプリを使えば利用できる
MT4はスマホやタブレットでもトレードできます。
App StoreやGoogle playでアプリをダウンロードすることで、簡単にトレードを始められるのです。
対応デバイスはiPhoneやAndroidだけでなく、iPadやAndroidタブレットなどでもOK。
MT4のアプリはApp StoreやGoogleストアでも入手できますが、探すのが面倒ならXMの「取引プラットフォーム」にアクセスしましょう。
対応デバイスごとに全てのアプリがそろっていて、目当てのアプリを見つけやすいです。
チャートのカスタマイズ性が高い
MT4はカスタマイズ性に優れていることでも有名です。
例えばロウソク足の色を変更したり、独自のインジケーターを複数表示したり、効果音を変更したりすることもできます。
MT4のローソク足の色は緑と白がメインですが、赤と青に切り替えたりすることもできますよ。
このようにチャートを自分好みにカスタマイズできるのもMT4の強みです。
MT4のデメリット
カスタマイズ性が高く、世界的に利用者も多いMT4ですが、デメリットもあります。主なデメリットは以下の通り。
- FX初心者には扱いが難しい
- Mac OSだと機能が制限される
- パソコンを閉じると自動売買が停止する(VPSが必要)
それぞれのデメリットを順に見ていきましょう。
FX初心者には扱いが難しい
MT4の最大の欠点は、FX初心者には扱うのが難しいこと。
チュートリアルやナビゲーションが表示されないため、FX初心者は何をすればよいのか分からず当惑するでしょう。
またMT4を利用するには、ソフトウェアやアプリのダウンロードが必要で、さらにログイン用の口座IDとパスワードを入力する必要もあります。
FXに慣れていない方だと、MT4は扱いにくいかもしれません。そんな場合は国内FX業者のデモ口座などで慣れてから、MT4に挑戦しましょう。
Mac OSだと機能が制限される
MT4はもともとMacOS向けに作られたものではありません。そのためMacOSではMT4一部の機能が正しく機能しないことがあります。
例えば動作が不安定になったり、インジケーターが正しく機能しなくなったり、文字化けしたりなどですね。
パソコンはMacを使いつつ、Windows環境でトレードしたいのなら、VPSを利用しましょう。
VPSを契約することで、Mac OS内でもWinowsが使えるようになり、MT4の不具合も起きにくくなります。
パソコンを閉じると自動売買が停止する(VPSが必要)
MT4の自動売買を運用している間は、パソコンを起動し続ける必要があります。パソコンの電源を切ると、MT4と同時に自動売買プログラムも停止するからです。
仮にパソコンの電源を切らなかったとしても、MT4自動売買をしている間はパソコンの動作が重くなるため、パソコン作業に支障がでます。
MT4の自動売買は、国内FX業者のように、FX業者のサーバーがやってくれるわけではないのです。
そのためMT4で自動売買をするなら、VPS(仮想専用サーバー)が必須となります。
VPSの料金相場は月額2,000円ほど。
XMでも無料VPSは使えますが、条件が厳しくおすすめできません。
ここまでがMT4のメリット・デメリットです。
ここからはXMで利用できるもう一つの取引ツール「MT5」についてお話しします。
MT5のメリット:動作が速く、使いやすい
MT5はMT4の改良版で、MT4より動作が速いことで有名です。主なメリットは以下の通り。
- MT4より動作が早い
- 時間足が21種類と多い(MT4は9種類)
- MT4よりアップデート回数が多い
- 気配値ウインドウで、プライスボードを見られる
ここからはそれぞれのメリットを順に見ていきます。
MT4より動作が早い
MT5の最大のメリットは、MT4より動作が速いこと。注文・決済のスピードも速いため、スキャルピングトレードと相性が良いです。
ただMT5は動作が速い分、MT4よりメモリを多く消費します。そのため古いパソコンで複数のMT5を同時利用すると、動作が重くなるリスクもあります。
スキャルピングトレードで注文スピードにこだわるなら、古いパソコンは使わない方がいいでしょう。
それでも動画や画像編集ソフトほどメモリは消費しないので、平均レベルのノートパソコンなら十分に機能するはずです。
時間足が21種類と多い(MT4は9種類)
MT5のもう一つのMT4より優れた点は、時間増の種類が多いこと。
MT4では9種類しかなかった時間足が、MT5では21種類に増えています。
追加された時間足は12種類。
- 2分足、3分足、4分足、6分足、10分足、12分足、20分足
- 2時間足、3時間足、6時間足、8時間足、12時間足
デフォルトでは時間足は9種類しか利用できないので、時間足のカスタマイズから時間足を追加しましょう。
MT4よりアップデート回数が多い
MT5はMT4と比べてアップデート回数が多いのも大きな特徴。MT4の開発元である「MetaQuotes社」が、MT5の開発にそれだけ力を入れているということです。
アップデート回数が多ければ、不具合になるリスクも少なくなり、トレードも安定します。
だから自動売買をせず、裁量トレードがメインなら、MT4よりもMT5がおすすめです。
気配値ウインドウで、プライスボードを見られる
MT5では気配ウインドウでプライスボードを見られます。
プライスボードでは、買値・売値だけでなく、直近での価格や安値・高値も確認できます。
安値は「今日の取引時間内で、もっとも値が下がった時の為替レート」で、高値は「今日の取引時間内で、もっとも値が上がった時の為替レート」のこと。
つまりMT5では気配値ウインドウの情報量が増えたということです。
MT5のデメリット
MT4より動作が速いMT5ですが、デメリットもあります。主なデメリットは以下の通り。
- 利用できる海外FX業者はまだ少ない
- 対応している自動売買プログラム(EA)が少ない
- 対応しているインディケーターの種類が少ない
ここからはそれぞれのデメリットを順に見ていきます。
利用できる海外FX業者はまだ少ない
MT5は最近作られたばかりの取引ツールなので、利用できる業者がまだ少ないです。
MT5が使える有名な海外FX業者は、XM、LAND-FX、FBS、Tradeviewなど。
逆にGemForexやTitanFX、AXIORYでは、MT5は利用できません。
取引ツール「MT5」を使うことにこだわると、利用できる海外FX業者の種類が限られてしまうのです。
対応している自動売買プログラム(EA)が少ない
MT5の大きなデメリットには、対応している自動売買プログラムが少ないことも挙げられます。これも取引プラットフォームとしての歴史が浅いことが原因です。
自動売買プログラムはMT4がまだ主流なので、MT5向けの自動売買プログラムを開発する人は少ないのです。
それでもMT5向けの自動売買プログラムは徐々に増えています。気になる方はMQL5のMT5自動売買プログラムをご覧ください。
対応しているインディケーターの種類が少ない
MT5はインジケーターの種類もMT4よりも少ないです。
MT4では利用できる便利ツールが、MT5では利用できないということもありえるでしょう。
チャートやプラットフォームのカスタマイズ性にこだわるなら、MT5よりもMT4を選びましょう。
MT4とMT5の違いは?
MT4とMT5の違いは以下の通り。違いが分かりやすいよう比較表でまとめました。
比較項目 | MT4 | MT5 |
動作 | 普通 | 速い |
時間足 | 9種類 | 21種類 |
対応業者 | 多い | 少ない |
EA自動売買 | 多い | 少ない |
カスタムインディケーター | 多い | 普通 |
仮想通貨 | 非対応 | 対応 |
描画ツール | 31種類 | 44種類 |
MT4の特徴は、対応している自動売買プログラム・インジケータが多いこと、そして利用できる海外FX業者が多いことです。
自動売買トレードがメインだったり、ボーナス目当てでマイナーな海外FX業者を使ったりするなら、MT4がおすすめ。
それに対しMT5の特徴は、動作が速く、スマホアプリでの使い勝手がよく、仮想通貨に対応していること。
スマホでのトレードがメインで、自動売買をしないなら、動作の速いMT5がおすすめです。
まとめ:自動売買メインならMT4、裁量トレードメインならMT5がおすすめ
この記事ではXMの取引ツール「MT4・MT5」について解説してきました。
MT4は自動売買プログラムやインジケータの種類が多く、利用できる海外FX業者が多いことが特徴。
それに対しMT5は、MT4より動作が速く、時間足の種類が多く、仮想通貨取引ができることが特徴です。
自動売買トレードがメインで、チャートのカスタマイズにこだわるなら、取引ツールはMT4を選びましょう。
逆に自動売買トレードをせずに、スマホトレードや裁量トレードがメインなら、MT5を選ぶべきです。
MT4もMT5も優れた取引プラットフォームです。