MQL5は、メタトレーダーの開発会社「MetaQuotes」が運営しているFXの総合プラットフォームです。
EAの販売事業も行っており、MQL5にアカウント登録すれば、無料EAをダウンロードしたり、有料EAを購入したりできます。
ただMQL5のEAはフォワード運用成績が公開されていないものもあり、バックテスト詐欺も多いです。有料EAを買うのはEAの目利きができるようになってからにしましょう。
MQL5でおすすめの有料EAはこちら。(プロフィットファクターの高い順)
- MagicWay(グリッド):PF3.40/499ドル(MQL5シグナル)
- North East Way EA(プルバック):PF3.18/12,483ドル(MQL5シグナル/Myfxbook)
- TIO No Limits(プルバック):PF2.25/700ドル(MQL5シグナル)
- Evening Scalper Pro(夕方スキャ):PF2.22/1,500ドル(MQL5シグナル/Myfxbook)
- Night Hunter Pro(夜スキャ):PF1.92/1,500ドル(MQL5シグナル/Myfxbook)
- Waka Waka EA(グリッド):PF1.77/1,500ドル(MQL5シグナル/Myfxbook)
中でもコストパフォーマンスが高いのは「MagicWay・TIO No Limits」の2つ。どちらも価格が1,000ドルを下回っており、MQL5 EAの中では購入しやすい部類です。
それ以外の有料EAは販売価格が1,000ドルを超えており、EA初心者だと購入しにくいです。お金を使わずにトレードを自動化させたいなら、無料EA「Gotobi Teriyaki(無料版)」などを使った方がいいですね。
運用口座はAXIORYのナノスプレッド口座・XMのKIWAMI極口座がおすすめ。どちらも取引コストが低く、EA運用で利益を出しやすくなります。(TradeviewのILC口座はグリッドEAと相性が悪い)
この記事ではMQL5 EAの基礎知識、おすすめ有料EAを詳しく見ていきます。
MQL5 EAの基礎知識
MQL5 EAは、GogoJungleやLET’S REALの有料EAとは仕様が異なります。
まずはMQL5 EAの基礎知識から見ていきます。
その1:無料EAを利用できる
MQL5 EAの最大の特徴は、無料EAが提供されていること。MQL5にアカウント登録すれば、誰でも無料EAをダウンロードして使えるようになります。
ただし無料EAのほとんどは1年以上安定した利益を出せません。あくまでEAの使用感を確かめたり、動作確認するためのものと割り切りましょう。
MQL5でおすすめの無料EAはこちら。
- Dark Venus:高頻度でグリッド・マーチンゲールトレードを行う
- CommunityPower MT4:リバ狙い順張り・低頻度でマーチンゲールを行う
無料EAで1番人気なのは、高頻度マーチンゲールEA「Dark Venus」ですね。
5pips間隔でグリッド・マーチンゲールトレードを行うため、運用を始めてすぐに利益を出すことができます。ただ破綻リスクが非常に高いので、リアル口座運用なら週に1回は利益出金する必要があります。
15分足・30分足に切り替えたり、グリッド間隔を広めたりすることで、運用リスクを低くできます。まずはデモ口座で運用して、EAで利益を出してみましょう。
2つ目の「CommunityPower MT4」はリバ狙いの逆張りトレードを行うEAですが、たまにマーチンゲールも行うため破綻リスクは高めです。
EA自動売買で1番怖いのは、有料EAを買いすぎて購入費用を回収できなくなること。EA初心者の方はまず無料EAで練習することから始めましょう。
Dark Venusの使い方・設定方法については、こちらの記事でもまとめています。
その2:口座縛りがなく、複数のリアル口座で同時運用できる
MQL5 EAの2つ目の大きな特徴は、口座縛りがないこと。1つのEAを複数の口座・ブローカーで同時に運用することができます。
例えばAXIORYの100万円口座でグリッドEAを低リスク運用しつつ、同じEAを10万円口座でハイリスク運用して爆益を狙ったりもできるわけです。
あるいは海外FXブローカーの破綻リスクを抑えるため、同じEAをAXIORY・HotForex・Tradeviewで分散運用することも可能です。
これがGogoJungleやLET’S REALのEAだとリアル口座1つでしか運用できないため、複数の口座で運用する場合は2つ以上のライセンスを購入する必要があります。
したがって1つのEAを複数の口座・ブローカーで同時に運用したいなら、MQL5 EAは相性がいいです。
その3:購入前に無料デモ版をバックテストできる
MQL5では有料EAの無料デモ版をダウンロードでき、それを任意の条件でバックテストできます。
例えば口座残高を1,000ドルにしたり、複利運用設定にしたり、スプレッドを15〜20ポイントにしたり、バックテスト期間を20年以上に設定したりなどですね。
これがGogoJungleやLET’S REALのEAだと、バックテスト環境は口座残高10,000ドル、固定ロットは1.0ロット、スプレッド5〜10ポイントで固定されていることが多く、購入前に好きな条件でバックテストできません。
MQL5の有料EAはフォワード成績を公開していないものも多いため、無料デモ版のバックテストは必須です。価格がお手頃でバックテスト成績が優秀なものがあれば、購入を検討しても良いでしょう。
その4:バックテスト詐欺・サクラレビューが多い
MQL5のEA販売プラットフォームはGogoJungleやLET’S REALよりも治安が悪く、バックテスト詐欺やサクラレビューが横行しています。有料EAを買う前は下調べをしておきましょう。
詐欺の代表的な手口はこちら。
- バックテストでヒストリカルデータを先に読み込む(具体的な手口はこちら)
- 有料EAを無料提供する代わりに、ステマレビューを書かせる
- デモ口座に細工をして、爆益を演出する(要検証)
1番よくあるのは、バックテスト時にヒストリカルデータを先に読み込み、バックテスト上の成績だけよく見せかける手法。この手のEAは実際に運用してみると、利益を出せないことが多いです。
他の手口としては、有料EA・インジケーターと引き換えにステマレビューを投稿させたり、デモ口座に細工をして爆益を演出したりするパターンですね。
またMQL5はSMS認証なしでアカウントが作れるため、アカウントを量産してステマレビューを大量投稿することも制度上は可能です。
続いて詐欺を見抜く方法も紹介しておきます。
1番簡単なのは、MQL5シグナル・Myfxbookでリアルフォワードの運用成績を見ること。デモ口座は改ざんされやすい上、スプレッド・スリッページの広がりが反映されないため信用しない方が良いです。
バックテスト詐欺対策としては、EAがバージョンアップされた後の期間でバックテストをするのも有効です。例えばアップデートが2022年8月なら、それ以降の期間でバックテストします。
サクラレビュー対策としては、具体的な長文レビューを読むようにしましょう。サクラレビューは短文が多いですが、実際に運用した人のレビューは文章量が多く具体的なことが多いです。
MQL5 EAは詐欺が多いですが、基本的にはリアルフォワード成績を確認するようにすれば、詐欺を未然に防ぎやすくなります。
その5:フォワード成績で検索できず、優秀なEAを探しにくい
MQL5 EAの最大のデメリットは、フォワード運用成績でEAを検索できないこと。
収益性の高いEAを探すためには、片っ端から無料デモ版をダウンロードしてバックテストする必要があるため、EAの精査に手間がかかります。
仮にバックテストで優秀なEAを見つけたとしても、フォワード成績を探したり、異なる期間・通貨ペアで何回もバックテストをしたりして、バックテスト詐欺がないか検証する必要があります。
GogoJungleやLET’S REALなら有料EAのほとんどはフォワード成績が公開されているため、プロフィットファクターやリカバリーファクターで検索すれば優秀なEAを探しやすくなります。
MQL5のEA販売プラットフォームは、フォワード成績でEAを検索できないため、優秀なEAを探すのに時間がかかります。手っ取り早く優秀なEAを見つけたいなら、GogoJungleやLET’S REALで検索しましょう。
MQL5 EAの使い方・運用方法
ここからはMQL5 EAの使い方を見ていきます。
その1:MQL5のアカウント登録をする
MQL5 EAを使うには、MQL5アカウントが必要です。まだアカウントを持っていない方は、こちらのMQL5アカウント登録ページから手続きを済ませておきましょう。
入力する項目は、ログインIDとメールアドレスの2つ。FacebookやGoogleアカウントでも登録できますが、後でVPSからログインすることを考えると正規の方法で登録した方がいいです。
その2:VPS(仮想専用サーバー)にログインする
MQL5のアカウント登録ができたら、次はVPSにログインしましょう。
VPSにログインするには、ユーザネーム・IPアドレス・ログインパスワードを入力する必要があります。
お使いのデバイスがWindowsOSなら、メニューの「Windowsアクセサリー」から「リモートデスクトップ接続」を選択しログインします。(WindowsOSのログイン方法)
お使いのデバイスがMacOSやスマホ、タブレットなら、RDPアプリ(Microsoft Remote Desktopなど)をダウンロードして、そこからログインしましょう。(MacOSのログイン方法)
EAはWindowsパソコンだけでも動作します。MQL5 EAの使用感を確かめたいだけなら、VPSを契約せずローカルパソコンだけで操作してもOKです。
その3:MT4を起動し、MQL5アカウントにログインする
VPSのログインに成功したら、デスクトップ版MT4を起動します。
まだVPS内部でMT4をインストールしていないなら、保有口座と同じブローカーのMT4をダウンロードしましょう。例えばXMのMT4口座を使うなら、XMのデスクトップ版MT4をダウンロードします。
デスクトップ版MT4を起動したら、次はMQL5アカウントのログインです。
ログインは画面右上の吹き出しアイコン、あるいは画面下の「ターミナル」ウインドウの「マーケット」タブからおこないます。
ログイン画面ではログインIDとパスワードを入力しましょう。
MQL5アカウントのログインに成功すれば、無料EAをダウンロードして使えるようになります。まずはデモ口座でDark Venusなどを運用して、動作確認してみましょう。
その4:MT4の「ターミナル→マーケット」から購入EAをダウンロードする
次は有料EAのダウンロードとインストールです。
すでにローカルパソコンでMQL5 EAの購入しているなら「マーケット」の「購入済み」タブから購入したEAをダウンロードできます。
購入手続きはデスクトップ版MT4でも行えますが、ウェブブラウザの自動入力機能が使えないため、打ち間違いが生じやすくなってしまいます。
無料EAをダウンロードするだけなら、該当EAの名前を検索窓に打ち込んでダウンロードしましょう。
その5:MT4の「ナビゲーター」からEAを運用する
MT4にダウンロードされたEAは、画面左側の「ナビゲーター」ウインドウで一覧表示されます。
EAを運用したい場合は、該当EAををダブルクリック、あるいは通貨ペアチャートにドラッグします。
チャートに初めてEAを設定すると、パラメーターを設定する項目が表示されます。トレードロジックや運用ロット、許容リスクなどの設定はここで行ってください。
パラメーター設定が完了し、OKボタンを押すことで、EAの設定が完了します。この時チャートの右上に「ニコちゃんマーク」が表示されていれば、EAが正しく動作していることになります。
逆にニコちゃんマークが困った顔をしている場合は、EAが正しく動作していません。多くの場合は再起動すれば直りますが、それでも直らない場合は以下のページで原因を調べましょう。
これでEAの設定は完了です。後は放置していればEAが自動でトレードをしてくれます。
ただしVPSのシャットダウンなどでデスクトップ版MT4が閉じてしまうと、EAも停止してしまいます。WindowsOSが再起動した後、MT4も自動で起動するよう設定しておきましょう。
MT4の再起動を自動化する方法ついては、こちらの記事をご覧ください。
収益性の高いEAの選び方
EAで安定した利益を出したいなら、収益性の高いEAを使いましょう。ただ有料EAは1,000種類以上あり、判断基準を持っておかないと優秀なEAを探しにくくなります。
EAのおすすめ選定基準はこちら。
- プロフィットファクターが1.5〜2.0以上
- 過去1年間のリカバリーファクターが5.0以上(グリッド系のみ)
- リスクリワードが0.7〜1.0以上(コツコツドカンEAを避けられる)
1つ目の基準「プロフィットファクター」とは、総利益を総損失で割った数値のこと。これが高ければ高いほど、EAの収益性が優れていることになります。
目安としては、プロフィットファクターが1.5〜2.0以上なら優秀と判断します。
2つ目の基準「リカバリーファクター」とは、純利益を最大ドローダウンで割った数値のこと。これが高ければ高いほど、EAが少ないリスクで大きなリターンを出していることになります。
目安としては、リカバリーファクターが3.0〜5.0以上であれば、そのEAは長期運用に耐えられる可能性が高いです。特にグリッド系EAはドローダウンが大きくなりやすいため、リカバリーファクターが高いものを優先して使うべきです。
3つ目の基準「リスクリワード」とは、平均利益を平均損失で割った数値のこと。この数値が高ければ高いほど、苦手相場で損失が大きくなりにくく、長期的に安定した利益を出しやすいです。
例えばスキャ系EAは平常時こそ5〜10pipsの利益を安定して出していますが、苦手相場では50pips〜100pipsの損失を連発することがあるため、長期的な利益が安定しにくいです。
逆にアノマリー系・スイング系EAは、50pips以上の損失を出すことはあっても、得意相場では100pips以上の利益を出すこともあるため、トータルの収益は安定しやすいです。
優秀なEAを探したいなら、まずはプロフィットファクター1.5以上で足切りし、そのあとでリカバリーファクターやリスクリワードなどで選定していきましょう。
MQL5のおすすめ高収益EA(PFの高い順)
ここからはお待ちかね、MQL5のおすすめ有料EAを見ていきます。
紹介しているEAはどれもリアルフォワードの運用成績を公開しており、その成績も優秀です。
フォワード運用のプロフィットファクターが高い順に掲載しているので、収益性を重視するなら上のEAから見ていきましょう。
MagicWay(グリッド):PF3.40
MagicWayは、複数の通貨ペアでグリッドトレードを行うEAです。
推奨通貨ペアは「AUDNZD, NZDCAD, AUDCAD」の3つ。どれもボラティリティが安定しやすく、複数ポジションのグリッドトレードと相性がいいとされています。
また「One Chart Set-Up」に対応しており、AUDNZDの1分足チャートだけにセットするだけで、他の通貨ペアでもトレードできるようになります。
グリッド間隔は45pipsと広く、ロットの増加率は1ポジションごとに1.5倍とやや高め。1ポジションのTP(利食い)は35pipsとかなり広めなので、XMやGemForexなどスプレッドの広いブローカーでも利益を出しやすくなっています。(加重ポイント平均ではない)
発売開始が2022年7月と最近なのでまだ利用者が少なく、価格も499ドル(7万円)と低めに設定されています。
過去5年間のバックテストをしてみたところ、リカバリーファクターが5.0以上、最大ドローダウンを20%前後と控えめで、長期運用にも耐えられる仕様になっています。デフォルト運用だと年利174%、月利換算でも14%と収益性は非常に優秀です。
とにかく収益性に優れたEAが欲しいなら、コストパフォーマンスの高い「MagicWay」は筆頭候補になるでしょう。
North East Way EA(プルバック):PF3.18
North East Way EAは、販売価格10,000ドル以上の超高額なプルバックEAです。
プルバックとは、トレンド相場での押し目買い・戻し売りのこと。トレンド方向にポジションを持つため、強いトレンド相場に耐性があり、逆張り系EAよりも利益が安定しやすいです。
通貨ペアはグリッド系EAに人気な「AUDNZD、NZDCAD、AUDCAD」の3つ。こちらも「One Chart Set-Up」が搭載されているため、1つのチャートにセットすれば複数の通貨ペアでトレードできます。
North East Way EAはMQL5の中でも収益性トップクラスのEAで、過去3年以上のリアルフォワード運用でほぼ毎月利益を出し続けています。
ただEA版の販売価格が10,000ドル以上と非常に高いので、リアル口座で運用するなら月額30ドルのシグナル版を使った方がいいです。
推奨時間足は15分足。グリッド間隔は一定ではなく、ボラティリティが低い時は4pips〜15pips、ボラティリティが高い時は60pips〜80pipsになることが多いです。
またグリッド間隔が狭い時は同じロットでナンピンしていますが、グリッド間隔が広い時はロット増加率2.5倍で大きな利益を狙っていますね。
グリッド系EAは、グリッド間隔が狭いと特大トレンドで破綻してしまい、間隔が広いと常時の利益率が落ちてしまうジレンマがあります。North East Way EAは2つのトレード戦術を使い分けることで、そのジレンマを克服しているわけですね。
North East Way EAはグリッド系の中でもトップクラスの収益性・リスク耐性を兼ね備えています。購入はおすすめしませんが、グリッド系EAを作るならトレードロジックは参考になるはずです。
TIO No Limits(プルバック):PF2.25
TIO No Limitsは、North East Way EAと似たトレードロジックを持つプルバックEAです。
MQL5シグナルのフォワード運用では10種類以上の通貨ペアを扱っていますが、推奨通貨ペアは「AUDNZD、NZDCAD、AUDCAD」の3つとされています。
トレード手法もNorth East Way EAとそっくりで、5pips〜10pipsのナンピンと、50pips以上のマーチンゲールを切り替えて行っています。
販売価格は700ドル(10万円)とGogoJungle EAより高めですが、North East Way EAの10分の1以下に収まっているためお買い得と言えなくもないです。
North East Way EAが高すぎて買えない方は、TIO No Limitsを代わりに購入しましょう。
Evening Scalper Pro(夕方スキャ):PF2.22
Evening Scalper Proは、サーバー時間の夜19時〜23時に逆張りのスキャルピングトレードを行うEAです。(便宜上、夕方スキャと呼ぶことにします)
トレードロジックは、19時から23時の間で移動平均線から乖離した後に逆張りのトレードを仕掛け、その後のリバウンドを狙って決済するシンプルなもの。
ただ決済タイミングが深夜0時以降になることが多く、スプレッドが広がったり、スワップポイントを取られたりするため、グリッド系EAと比べると収益性は劣ります。
スキャ系EAは単一ポジションなのでグリッド系EAより破綻リスクは低いメリットがあります。その一方でリスクリワードは1.0以下と低く、苦手相場では損失が大きくなりやすいデメリットもあります。
Evening Scalper Proは期待利得も4.7pipsとスキャ系の中では高めですが、アノマリー系EA「gotobi・Gotobi Teriyaki」の7.0pipsよりも低めです。
販売価格も1,500ドル(22万円)と非常に高く、収益性は安価なアノマリー系よりも劣るため、コストパフォーマンスはあまり良くないです。
Night Hunter Pro(夜スキャ):PF1.92
Night Hunter Proは、深夜23時から1時にスキャルピングトレードを行う夜スキャEAです。
サーバー時間の深夜23時〜1時は、ボラティリティが低めでレンジ相場になりやすく、リバ狙い逆張りトレードで利益を出しやすくなります。
デメリットはリスクリワードが低めで、苦手相場では損失が大きくなりやすいこと。普段は5pips前後の利益を積み上げますが、苦手相場では60pipsのストップロスを出してしまい、1ヵ月の利益が溶けてしまうこともあります。
またポジションを翌日に持ち越すことが多く、その時にマイナスのスワップポイントを取られてしまうため、EAの利益率も悪くなっています。実際Night Hunter Proの期待利得は2.0pips前後と低めで、7.0pips以上のアノマリー系EAより大きく見劣りします。
販売価格も1,500ドル(22万円)と非常に高く、運用金額が100万円以下だと購入費用を回収するまで1年以上かかってしまいます。
Night Hunter Proは夜スキャEAの中では優秀な部類ですが、夜スキャ自体がそこまで収益性に優れているわけではありません。
下手に20万円以上の高額EAを買うくらいなら、無料EA「Gotobi Teriyaki(無料版)」などを使った方がいいです。
Waka Waka EA(グリッド):PF1.77
Waka Waka EAは、ボリンジャーバンドとRSIを併用しているグリッドマーチンEAです。
推奨時間足は15分足。推奨通貨ペアはグリッド系でお馴染みの「AUDNZD、NZDCAD、AUDCAD」の3つ。グリッド間隔は35pips、ロット増加率は1.5倍〜2倍と標準的です。
トレードロジックはNorth East Way EAと似ていますが、2つのトレードロジックを使い分けているわけではないため、ドローダウンが大きくなりやすく、利益率の面でも劣ります。
また販売価格も1,500ドル(22万円)と非常に高く、コストパフォーマンスはあまり良くありません。
それでもフォワード運用成績では5年近く安定した利益を出し続けているため、MQL5のグリッド系EAの中では収益性・リスク耐性はトップクラスです。
MQL5 EAが高すぎて買えない時は?
MQL5の有料EAは10万円以上と高額で、EA初心者には購入ハードルが高いです。ただEA自動売買をするにあたって、必ずしもMQL5の有料EAを買う必要はありません。
ここからはMQL5のEAが高すぎて買えないときの対処法を見ていきます。
その1:優秀な無料EAで代用する
1番おすすめなのは、収益性の高い無料EAで代用すること。
海外FXの世界ではコピートレードやIB契約などEA開発者に利益を還元する仕組みが整っており、初期費用なしで優秀なEAを使うこともできます。
収益性の高い無料EAはこちら。
- eagle blizzard α(ミラートレード版):RF24.9/PF7.86/RR1.6(フォワード成績)
- swallow blizzard(ミラートレード版):RF9.8/PF6.42/RR1.1(フォワード成績)
- Gotobi Teriyaki(無料版):RF4.21/PF2.23/RR1.42(フォワード成績)
特におすすめなのがGemForexミラートレードの「eagle blizzard α」。プロフィットファクターが7.0以上、リスクリワードも1.6以上と非常に高く、単一ポジションなので破綻リスクも低く、長期運用で安定した利益を出し続けられます。
2つ目の「swallow blizzard」もeagle blizzard αに次いで優秀です。eagle blizzard αの運用ロットは5.0ロットが上限なので、それ以上のロットで運用したいときにポートフォリオに組み込みます。
なおGemForexのミラートレードは、GemForexのサーバーでトレードするため、利用者側でVPSを契約する必要はありません。パソコンが苦手な方でも簡単に設定できます。
3つ目の「Gotobi Teriyaki」はGogoJungleの有料EAですが、開発者さんのブログにてソースコードが無料公開されています。これをメタエディターにコピペしてコンパイルすれば、口座縛りなしで無料で使えるようになります。(無料ソースコードはこちら)
MQL5の有料EAが高すぎて購入できないなら、上記の無料EAから試してみましょう。どれもフォワード運用成績が優秀なので、下手に高額EAを買うよりも利益を回収しやすくなります。
その2:GogoJungle・LET’S LEALで似たものを購入する
次におすすめなのはGogoJungleやLET’S REALなどの国内のEA販売プラットフォームで似たようなEAを購入すること。価格相場が2万円〜3万円と安いため、MQL5の有料EAを買うより安上がりです。
GogoJungleでおすすめの有料EAはこちら。
- 仲値アノマリーEA:gotobi・Hydrangea・Gotobi Teriyaki(無料版ソースコード)
- 月末アノマリーEA:AMX USDJPY
- スイングEA:GZ_RSI_multi_M5・RECOBA Triple Swing M5
- グリッドEA:天狗 -てんぐ- AUD/JPY-ALL-・Tender・Turn Up EA
中でも1番おすすめなのは仲値アノマリーEAの「gotobi」ですね。
トレードロジックはゴトー日にドル円の仲値トレードをするだけですが、バックテスト・フォワード運用成績のどちらも非常に優秀で、長期的に安定した利益を出せる可能性が高いです。
また無料でアノマリーEAを使ってみたいなら、「Gotobi Teriyaki」も選択肢に入ります。こちらも過去3ヶ月のフォワード成績が優秀ですし、公開されているソースコードをコンパイルすれば、お金を使わずにアノマリートレードを自動化できます。
それ以外の候補としてはスイング系EAなら「GZ_RSI_multi_M5」、グリッド系EAなら「天狗 -てんぐ- AUD/JPY-ALL-」が優秀です。
注意点としてGogoJungleやLET’S REALの有料EAはリアル口座1つでしか運用できません。複数の口座で運用したいなら、2つ以上のライセンスを買う必要があります。
ただどちらもEAのフォワード運用成績が公開されているため、バックテスト詐欺のリスクが低めです。EAの目利きができないうちは、情報の信頼性が高いプラットフォームでEAを購入しましょう。
その3:トレードロジックを逆算して、自力で開発する
プログラミングが得意なら、EAを自力で開発する手もあります。
MQL5の人気EAはどれもMQL5シグナルでフォワード運用成績を公開しているため、トレードロジックを逆算してEAを開発できるかもしれません。
例えばグリッド系EA「Waka Waka EA」のMQL5シグナルを見てみると、グリッド間隔が35pips、ロットの増加率が1.5〜2倍であることがわかります。これからグリッド系EAを開発する人には参考になるでしょう。
プログラミングが苦手なら、EA開発ツールを使ってみましょう。テクニカル指標やエントリー・決済の条件を指定することで、プログラミングスキルなしでEAを作成できます。
EA開発ツールの代表例はこちら。
- EA作成機:会員登録すれば無料。日本語対応
- ForexEAdvisor.com:無料。英語のみ。ナンピン・マーチン不可
- EAつくーる:月額2,980円。サポートが微妙?
1つ目の「EA作成機」は会員登録すれば無料で使えます。日本語に対応しており、設定できるテクニカル指標の数も多いため、EA開発ツールとしても扱いやすい部類です。
2つ目の「ForexEAdvisor.com」は会員登録なしで無料利用できますが、日本語には対応していません。またナンピン・グリッドの設定もできないので、EA作成機と比べると開発自由度は劣ります。
3つ目の「EAつくーる」はGogoJungleが提供している有料のEA開発ツールです。ただ月額料金が3,000円と高く、継続利用すると重たい出費になります。
自力でEA開発をするなら、まずは無料で利用できる「EA作成機」から使ってみましょう。
EA運用におすすめの海外FX口座
EA自動売買で安定した利益を出したいなら、 取引コストが低く信頼性の高い海外FXブローカーを使いましょう。
海外FXブローカー・運用口座のおすすめはこちら。
- Tradeview(ILC口座):取引手数料0.5pips・ドル円スワップ1.1pips
- AXIORY(ナノスプレッド口座):取引手数料0.6pips・ドル円スワップ1.2pips
- XM(KIWAMI極口座):取引手数料なし・ドル円スワップなし
この中で取引コストが1番低いのはTradeviewのILC口座ですね。ドル円のスプレッドが0.1pipsから0.3pipsと非常に低く、取引手数料も1ロット往復5ドル(0.5pips)と海外FX業界の中でもトップクラスです。
ドル円のスワップポイントも11ポイント(1.1pips)と高く、仲値アノマリーEAの運用で利益を出しやすいです。ただILC口座はレバレッジが200倍と低め、0.1ロット以下の取引ができないなどのデメリットがあり、グリッド系EAとは相性が悪いです。
使いやすさを重視するなら、AXIORYのナノスプレッド口座もおすすめ。こちらもドル円のスプレッドが0.3pipsから0.5pipsと狭めで、取引手数料も1ロット往復6ドルとまあまあ低めです。
AXIORYは会員ページもシンプルなデザインで使いやすく、入出金や資金移動、追加口座開設なども簡単に行えます。取引コストはTradeviewに劣りますが、EA初心者ならAXIORYの方が使いやすく感じるはずです。
3つ目のXMのKIWAMI極口座はドル円のスプレッドが0.8pipsとやや広めですが、取引手数料とスワップポイントが発生しないため、全体の取引コストを低く抑えられます。
取引コストではTradeviewとAXIORYに劣りますが、XMは海外FXブローカーの中でも最大手なのでトラブル時の資金持ち逃げ・出金拒否などのリスクは低いです。既にXMのアカウントを持っているなら、新たにKIWAMI極口座を作ってEA運用を始めてもいいでしょう。
EA運用におすすめの有料VPS(仮想専用サーバー)
EAを運用するなら、VPSも契約しておきましょう。
VPS(仮想専用サーバー)とは、オンラインでレンタルできるパソコン環境のこと。24時間EAを運用し続けるなら必須のサービスです。
月額有料VPSのおすすめはこちら。
- WebARENA Indigo:国内最安値クラス(2GB/1,500円/スケールアップ不可)
- さくらのVPS:2週間の無料お試しあり(2GB/2,200円/スケールアップ可能)
- Chocoping:FX用の海外VPS(2GB/2,300円相当)
コストパフォーマンスを重視するなら、「WebARENA Indigo」がおすすめ。2GBのプランが月額1,500円と国内最安値クラスで利用できます。
ただしスケールアップに対応しておらず、一度プランを決めてしまうとメモリの容量を増やせません。
プラン変更の予定があるなら、第2候補として「さくらのVPS」がおすすめ。
こちらはスケールアップに対応しており、例えば2GBプランを契約した後に4GBのプランに変更することもできます。(メモリの少ないプランへの変更はできない)
3つ目の「Chocoping」は海外VPSです。データセンターがロンドンやニューヨークにあるため、海外FXブローカーとのサーバー距離が近くなり、レイテンシー(約定遅延)が生じにくくなります。
特にスキャ系EAは注文が数秒遅れるだけでも損失につながることがあるため、レイテンシーが生じにくい海外VPSを使った方がいいですね。
したがってコストパフォーマンスを重視するならWebARENA Indigo、プラン変更の予定があるならさくらのVPS、スキャ系EAと併用するならChocopingを使うといいでしょう。
まとめ:MQL5の有料EAは高額なので非推奨
ここまでMQL5 EAの基礎知識、おすすめEAを解説してきました。
MQL5の高収益EAはこちら。
- MagicWay(グリッド):PF3.40/499ドル(MQL5シグナル)
- North East Way EA(プルバック):PF3.18/12,483ドル(MQL5シグナル/Myfxbook)
- TIO No Limits(プルバック):PF2.25/700ドル(MQL5シグナル)
- Evening Scalper Pro(夕方スキャ):PF2.22/1,500ドル(MQL5シグナル/Myfxbook)
- Night Hunter Pro(夜スキャ):PF1.92/1,500ドル(MQL5シグナル/Myfxbook)
- Waka Waka EA(グリッド):PF1.77/1,500ドル(MQL5シグナル/Myfxbook)
中でもコストパフォーマンスに優れているのは、「MagicWay・TIO No Limits」の2つ。ただ複数のポジションを持つグリッド系EAなので、ドローダウンが大きくなりやすく運用がシビアです。
それ以外の有料EAについては、リアルフォワード運用成績こそ優秀ですが、販売価格が1,000ドルを超えておりコストパフォーマンスが良くありません。はっきり言ってEA初心者にはおすすめできないです。
お金を使わずにトレードを自動化させたいなら「Gotobi Teriyaki(無料版)」もおすすめ。こちらはソースコードが公開されているため、メタエディターにコピペしてコンパイルすれば無料で使えます。
MQL5の有料EAはバックテスト詐欺などが多く、EA初心者がいきなり高額EAを買うのはリスクが高いです。まずは無料EAから始めてみましょう。