Dark VenusはMQL5で無料ダウンロードできるEAです。
トレードロジックはグリッドトレード+マーチンゲールなので破綻リスクは高いですが、挙動がシンプルで使いやすく、運用を始めたその日に利益を出すことができます。
パラメーターの種類が多く、カスタマイズ性にも優れており、グリッド間隔やロット増加率を調整することで、ローリスク・ローリターンな運用もできるようになります。
トレードロジックが洗練されていないため主力にはできませんが、無料で使えるためEA初心者の練習台に最適です。
Dark Venusの運用口座はXMのデモ口座あるいはAXIORYのデモ口座がおすすめ。XMはデモ口座を開設しやすいですし、AXIORYはデモ口座の資金管理がしやすいです。
この記事では無料EA「Dark Venus」の基礎知識・運用方法を解説していきます。
Dark Venusの特徴
まずはDark Venusの特徴から見ていきます。
その1:無料でダウンロードできる
Dark Venusの最大のメリットは無料で利用できること。MQL5のアカウントを登録しておけば、デスクトップ版MT4から無料でダウンロードできます。
EAは有料のものだと2万円以上のものが多く、初心者がいきなり購入するにはハードルが高いです。そんな高額なEAを無料で使えるのはありがたいですね。
MQL5の無料EAは他にもたくさんありますが、ほとんどは安定した利益を出せません。その点Dark Venusは高頻度のマーチンゲールEAなので、リスクは高いものの平常時は安定した利益を出すことができます。
ただマーチンゲールEAは破綻リスクが非常に高いため、1年以上の長期運用には向いていません。EA運用に慣れてきたら他のEAに切り替えましょう。
その2:トレードロジックは「グリッドトレード+マーチンゲール」
Dark Venusのトレードロジックは「グリッドトレード+マーチンゲール」です。
グリッドトレードとは、ポジションを同じpips間隔で増やしていく手法のこと。
Dark Venusではデフォルトで保有ポジションから5pips逆行するごとに、ポジションを1つ増やしていきます。グリッド間隔5pipsはグリッドEAの中でもかなり狭い方で、1年以上運用すると高確率で破綻します。
逆にグリッド間隔を30pips〜50pipsに広げることで利益率は低くなりますが、特大トレンド時の破綻リスクを低く抑えられます。
グリッドトレードではグリッド間隔が狭くほどハイリスク・ハイリターンになり、グリッドを広げるほどローリスク・ローリターンになると覚えておきましょう。
2つ目のマーチンゲールは、ポジションが増えるごとに運用ロットも増やしていく手法のこと。
例えばデフォルトの設定なら1つ目のポジションは0.01ロット、2つ目のポジションは0.02ロット、3つ目のポジションは0.03ロットと0.01ロット刻みで増えていきます。
マーチンゲールのロットの増やし方は2種類あり、Dark Venusは加算方式ですが、Waka Waka EAやNorth East Way EAなどは直近ポジションの1.5倍〜2.5倍にしていく乗算方式を採用しています。
Dark Venusのパラメーターではロット増加率を乗算方式にすることはできませんが、パラメーターのロット増加率を大きくすることで特大ロットで運用することもできます。
グリッド系EAの運用リスクは、グリッド間隔とロット増加率の2つでほぼ決まります。安定運用したいなら破綻リスクの低い組み合わせを模索しましょう。
その3:破綻リスクが高いのでデモ口座で運用すること
Dark Venusのようなグリッド・マーチンゲールEAは破綻リスクが高いので、デモ口座で運用しましょう。海外FXでおすすめのデモ口座はこちら。
- XMのデモ口座:本会員登録なしでデモ口座を作れる
- AXIORYのデモ口座:会員ページでデモ口座の残高を調整できる
お手軽にデモ口座を作ってDark Venusを試したいなら、まずはXMのデモ口座がおすすめ。本会員登録なしですぐにデモ口座を作ることができます。ただしXMの会員ページにはログインできず、デモ口座の口座残高を調整するにはサポートデスクに連絡する必要があります。
口座残高などを細かく調整しながら運用したいならAXIORYのデモ口座がおすすめ。AXIORYのデモ口座を使うにはAXIORYでアカウント登録をする必要がありますが、一度登録してしまえば会員ページでいつでもデモ口座を作ることができます。
AXIORYのデモ口座は会員ページの「MyAxiory」にて残高調整できます。リアル口座と同じ要領で入金すれば残高が増え、出金すれば残高を減らすことができます。
その4:口座縛りがなく、複数の口座で運用できる
Dark Venusを含めMQL5のEAは、口座縛りがなく2つ以上の口座で運用できます。カウンターパーティーリスクを警戒して同じEAを複数のブローカー・口座で同時運用することも可能です。
これがGogoJungleやLET’S REALだとライセンス単位での購入となるため、2つ以上の口座で運用するときは同じ数のライセンスを購入する必要があります。なお口座縛りをする理由は、プログラムをコピーして再配布・転売されるのを防ぐためです。
同じEAを複数の口座・FXブローカーで使い回したいなら、MQL5のEAを使うか、自力で開発するかしたほうがいいです。
Dark Venusの使い方・設定手順
ここからはDark Venusの使い方・運用方法を見ていきます。
手順1:MQL5にアカウント登録する
Dark VenusはMQL5のEAなので、利用するにはMQL5アカウントが必要です。またアカウントを持っていない方は、MQL5のアカウント登録ページから登録しましょう。

入力する項目はログインIDとメールアドレスの2つ。FacebookやGoogleアカウントでも登録できますが、後でVPSからログインすることを考えると正規の方法で登録した方がいいです。
手順2:VPS(仮想専用サーバー)にログインし、MT4を起動する
MQL5のアカウント登録ができたら、次はVPS(仮想専用サーバー)にログインしましょう。(おすすめVPSはこちら)
VPSにログインするには、ユーザネーム・IPアドレス・ログインパスワードを入力する必要があります。
お使いのデバイスがWindowsOSなら、メニューの「Windowsアクセサリー」から「リモートデスクトップ接続」を選択しログインします。(WindowsOSのログイン方法)
デバイスがMacOSやスマホ、タブレットなら、RDPアプリ(Microsoft Remote Desktopなど)をダウンロードして、そこからログインしましょう。(MacOSのログイン方法)
EAはWindowsパソコンだけでも動作します。MQL5 EAの使用感を確かめたいだけなら、VPSを契約せずローカルパソコンだけで操作してもOKです。
手順3:MT4からMQL5アカウントにログインする
VPSにログインしたら、Webブラウザからデスクトップ版MT4をダウンロード・インストールし、それを起動します。

デスクトップ版MT4を初めて起動すると、口座ログインが求められます。サーバー名を選択し、口座アカウント番号・ログインパスワードを入力してログインしましょう。

MT4の口座ログインに成功したら、次はMQL5アカウントのログインです。
MQL5のログインは画面右上の吹き出しアイコン、あるいは画面下の「ターミナル」ウインドウの「マーケット」タブから行います。
ログイン画面ではログインIDとパスワードを入力しましょう。

MQL5アカウントにログインできれば、MQL5の無料EAもダウンロードできるようになります。
手順4:Dark Venusをダウンロードする
次は無料EA「Dark Venus」のダウンロードとインストールです。
MT4の「ターミナル」を開き、「マーケット」タブをクリックしましょう。「マーケット」では無料EAのダウンロードや有料EAの購入が行えます。

「マーケット」タブ右上にある検索窓に「Dark Venus」と打ち込むことで、無料EAの「Dark Venus」を見つけられるはずです。
EAをダウンロードするには、EA説明欄にある青色の「ダウンロード」ボタンをクリックします。ダウンロードに成功すると、画面左の「ナビゲーター」ウインドウにダウンロードしたEAが表示されます。

手順5:Dark Venusをチャートに設定する
Dark Venusのダウンロードができれば、後は実際にEAを運用するだけです。
EAを運用するには、「ナビゲーター」にあるEAをダブルクリックするか、適用したいチャートにドラッグします。

EAをチャートに初めて設定すると、パラメーターの設定項目が表示されます。トレードロジックや運用ロットなどの設定はここで行ってください。

パラメーター設定が完了し、OKボタンを押すことで、EAの設定が完了します。この時チャートの右上に「ニコちゃんマーク」が表示されていれば、EAが正しく動作していることになります。

逆にニコちゃんマークが困った顔をしている場合は、EAが正しく動作していません。多くの場合は再起動すれば直りますが、それでも直らない場合は次のページで原因を調べましょう。(MT4で自動売買EAが動かない時の21項目のチェックリスト)
これでEAの設定は完了です。後は放置していればEAが自動でトレードをしてくれます。
ただしVPSのシャットダウンなどでデスクトップ版MT4が閉じてしまうと、EAも停止してしまいます。WindowsOSが再起動した後、MT4も自動で起動するよう設定しておきましょう。(再起動を自動化する方法)
Dark Venusの推奨設定
Dark Venusはデフォルト設定だとグリッド間隔が狭すぎて1年以内に破綻してしまいます。長期的に運用するなら、グリッド間隔を広げるなりしてパラメータを調整しましょう。
パラメーター・運用方法の参考例はこちら。
- 通貨ペア:AUDUSD
- 時間足:15分足
- ロット係数:1.3
- グリッド間隔(Min Distance):500(50pips)
- 1段目TP(Take Target First Order):150(15pips)
グリッド系EAで運用する通貨ペアはAUD(オーストラリアドル)関連がおすすめ。スプレッドが狭い上に、ボラティリティも低く300pips以上の特大トレンドが発生しにくいです。
もっと変動リスクを抑えたいなら「AUDNZD, NZDCAD, AUDCAD」の組み合わせもおすすめですが、スプレッドが4.0pips以上と広いため、手数料負けしないよう利幅を広くする必要があります。
また時間足を15分足とやや長期にしておくことで、1分足・5分足運用よりもポジション数が少なくなり破綻リスクが低くなります。(Waka Waka EA・North East Way EAは15分足運用)
Dark Venusはエントリー条件がゆるいため、グリッド間隔を50pipsとかなり広めにしておきます。この時ロット増加率を1.3にしておくことで、トレンドが進むごとに大きなロットで利益を回収しやすくなっています。
また1段目のTP(利食い)を5pipsから15pipsにすることで、ほぼ同じ利益のまま取引回数を減らせます。こうすることでスプレッド・取引手数料を節約できます。
上記パラメーターだと利益率は月利1%とかなり低くなってしまいますが、バックテストでは3年以上耐えられるようになります。
無料EAはトレードロジックが洗練されておらず、破綻しないような運用をすると収益性は低くなります。より少ないリスクで大きなリターンを狙うなら、有料のグリッド系EAを購入したほうがいいですね。
パラメーターは高収益グリッドEAを参考にする
Dark Venusのパラメータをカスタマイズするなら、高収益グリッドEAを参考にしましょう。
フォワード成績が公開されている高収益グリッドEAはこちら。
- 天狗 -てんぐ- AUD/JPY-ALL-:グリッド間隔30pips、ロットは3倍→5倍→7倍
- MagicWay:グリッド間隔45pips、ロット増加率1.5倍
- Waka Waka EA:グリッド間隔35pips、ロット増加率1.5〜2倍
- North East Way EA:グリッド間隔4〜80pips、ロット増加率2.5倍
この中で挙動がわかりやすいのは「天狗 -てんぐ- AUD/JPY-ALL-」ですね。
グリッド間隔は30pipsと平均的で、ロット増加率については2段目は1段目の3倍、3段目は1段目の5倍と増えていきます。ロットの増やし方が加算方式なので、Dark Venusでも真似しやすいはずです。
また「天狗 -てんぐ- AUD/JPY-ALL-」は価格も23,000円と安いため、Dark Venusからの乗り換え先としても優秀です。
それ以外のグリッド系EAもグリッド間隔は30pips〜50pipsが多く、ロット増加率も1.5倍〜2.5倍となっています。この辺を参考にすればDark Venusでも低リスク運用ができるかもしれません。
Dark Venusのおすすめ運用デモ口座
Dark Venusは破綻リスクが非常に高いため、デモ口座で運用することが前提になります。
Dark Venusの運用におすすめのデモ口座はこちら。
- XMのデモ口座:本会員登録なしでデモ口座を作れる
- AXIORYのデモ口座:会員ページでデモ口座の残高を調整できる
1つ目のXMのデモ口座は、本会員登録なしですぐに作ることができます。ただしデモ口座では会員ページにログインできず、口座残高を調整するにはサポートデスクに連絡する必要があります。
2つ目のAXIORYのデモ口座は口座開設に本会員登録が必要ですが、一度登録してしまえば会員ページですぐにデモ口座を作れます。さらに会員ページで入出金することで口座残高を調整できるため、XMのデモ口座よりも使い勝手は良いです。
Dark Venusの運用に慣れてきたら、XMのKIWAMI口座やAXIORYのナノ口座などスプレッドの狭い口座で他のEAを運用しましょう。