海外FXブローカーの運用口座は、できるだけ信頼性が高く出金コストの低いものを選びましょう。
海外FXブローカーは基本的に日本で無登録営業をしており、日本の法律によって完全信託保全が義務付けられていません。信用度の低いところだと出金拒否・利益没収などのリスクがあるからです。
おすすめの海外FXブローカー・運用口座はこちら。
取引コストを重視するならTradeview cTrader口座、ウェブサイト・会員ページの使いやすさを重視するならAXIORY cTrader ナノ口座、海外FXのボーナスが欲しいならXM スタンダード口座がおすすめです。
この記事では海外FXブローカー・運用口座の選び方、そしておすすめ運用口座を紹介していきます。
海外FXブローカー・運用口座の選び方
まずは海外FXブローカーと運用口座の選び方から見ていきます。
A-bookブローカーを優先して使う
海外FXで安定して稼ぎたいならA-bookブローカーを優先して使いましょう。A-bookとは注文方式にNDD方式を採用しており、ブローカーとインターバンクの間で取引を仲介しないブローカーのこと。
A-bookブローカーは為替リスクのために顧客と反対ポジションを持つことがないため、顧客の勝ち=ブローカーの損失とはなりません。顧客を意図的に負けさせる動機が薄く、不利な約定を押し付けられることもありません。
ただA-bookブローカーは事業としてあまり儲からないため、豪華なプロモーションや入金ボーナス、高額なレバレッジや洗練されたデザインのウェブサイトなどは提供できないことが多いです。
海外FXで代表的なA-bookブローカーはTradeviewですね。会員ページが使いにくく、コンプライアンスを遵守しており日本語の情報ページも少ないため、日本人には使いにくいかもしれません。
それに対するB-bookブローカーとは、トレーダーとインターバンクの間で取引を仲介するブローカーのこと。為替リスクのために顧客と反対のポジションを持つため、顧客の負け=ブローカーの利益となります。B-bookブローカーは自社の利益のためにトレーダーの注文を不利な方向に滑らせて、わざと負けさせることもあります。
海外FXの裁量トレード・EA自動売買で勝ち続けたいなら、基本的にはTradeviewなどのA-bookブローカーを使うようにしましょう。B-bookブローカーを使うにしてもXM・AXIORYなど利用者が多く、財務基盤がしっかりしているところを選んでください。
資金面に余裕があり、出金力がある
海外FXブローカーを選ぶときは、資金面に余裕があり出金リスクの低いところを選びましょう。どれだけボーナスが高額でも、あるいはスプレッドが狭くても、利益を出金できなければ意味がありません。
FXブローカーから出金できるのは当たり前のことに思えるかもしれませんが、海外FXブローカーは日本の法律の規制下になく完全信託保全も義務付けられていません。資金面に余裕のないところやコンプライアンス意識の低いところだと平気で出金拒否・利益没収をしてきます。
例えばGemForexとHastForexではボーナスアービトラージなどで資金を大量に抜かれてしまい、出金遅延・出金拒否・利益没収が多発しました。特に資金1,000万円以上の人は回収できていないケースが多いです。
他のマイナーな海外FXブローカーでも勝ちすぎたり利益を出しすぎたりすると、不正取引などの難癖をつけて利益を没収したり口座を凍結したりすることがあります。
出金拒否・利益没収のリスクを下げたいなら、できるだけ資金面に余裕のある大手・中堅以上の海外FXブローカーを使いましょう。具体的にはXM・AXIORY・Tradeviewのいずれかを選ぶのが無難です。
ウェブサイトが日本語以外にも対応している
信頼性の高い海外FXブローカーの見分け方として有効なのは、ウェブサイトが日本語以外に対応しているか確認すること。
大手・中堅以上の海外FXブローカーは日本以外にもサービス展開しているため、ウェブサイトで日本語以外の言語に切り替えることができます。対応言語が多ければ多いほど事業規模が大きく、FX事業の収益も安定していると判断します。
逆にウェブサイトが日本語にしか対応していない場合、その海外FXブローカーは日本人だけをターゲットにサービス展開しているため事業面で不安が残ります。
また狡猾な海外FXブローカーだと言語切り替えボタンだけ対応を用意しておいて、実際にボタンを押してもサイトの言語が変化しないケースもあります。言語切り替えボタンだけを見て安心せず、実際に切り替えて確認したほうがいいですね。
ただ日本人向けの海外FXブローカーでもある程度以上の事業規模だと、日本語以外のウェブサイトにも対応しているケースが多いです。この方法はあくまで無名の新興ブローカーを弾くための手法と考えましょう。
日本でガンガン営業をかけていない
日本で積極的に営業活動している海外FXブローカーはなるべく避けましょう。日本でFXブローカーのビジネスをするには金融商品取引業の登録が必要で、無登録で運営・営業することは違法だからです。
老舗の海外FXブローカーは法的リスクを知っているためSNSで積極的に発信しませんが、資金に余裕のない新興ブローカーだとそんなことは気にせずガンガン営業していることが多いです。(日本語のツイッターアカウント開設・FXアカウントへのIB勧誘など)
また新興ブローカーは信用度が低いためか法人口座を使わせてもらえず、外国人(特にベトナム人)の口座を使っていることもあります。送金額が大きいとマネーロンダリングの疑いをかけられて、お使いの銀行口座を凍結させられるかもしれません。
他にも個人情報を犯罪利用されたり、他の業者に売られてスパムメールの標的になったりするリスクもあります。信用度・知名度の低い海外FXブローカーはなるべく使わないようにしましょう。
信用度の高い金融ライセンスを取得している
海外FXブローカーで口座開設するときは、必ず金融ライセンスを保有しているところを選びましょう。金融ライセンスのない海外FXブローカーは出金リスクが非常に高いです。
金融ライセンスとその信頼性の高さについては以下の表が参考になります。(参考元ツイート)
信頼性 | 金融ライセンス |
Tier1 | ASIC(オーストラリア), FCA(イギリス), MAS(シンガポール) |
Tier2 | CySEC(キプロス), FMA(ニュージーランド), DFSA(ドバイ), KNF(ポーランド), CMVM(ポルトガル), CNMW(スペイン) |
Tier3 | FSC(モーリシャス), FSA(セーシェル), FSCA(南アフリカ), FSC(イギリス領バージン諸島) |
Tier4 | SCB(バハマ), VFSC(バヌアツ), IFSC(ベリーズ), VNU(バヌアツ), FSA(セントビンセント), FSRC(セントクリスファー・ネイビス), CIMA(ケイマン諸島) |
日本・ヨーロッパ・オーストラリアなどの金融ライセンスは所得難易度が高く、セーシェル・モーリシャスなど島国の金融ライセンスは取得難易度が低めです。金融ライセンスの取得難易度が高いほど、出金拒否・利益没収などリスクは低いと判断します。
例えばXMはモーリシャス・セーシェルの2つの金融ライセンスを保有しています。AXIORYはベリーズの金融ライセンスを保有しており、Tradeviewはケイマン諸島の金融ライセンスを保有しています。
いずれも金融ライセンスはTier3から4のもので、信頼性が高くないと思われるかもしれません。ただTier1から2の金融ライセンスの獲得は非常に厳格で、ウェブサイトが日本語に対応していなかったり、日本在住者の口座開設を断ったりするケースが多いです。
金融ライセンスもあくまでブローカー選びの判断基準の1つです。金融ライセンスのない海外FXブローカーは使うべきではないですが、100万円前後の運用であれば島国の金融ライセンスで妥協してもいいでしょう。
また狡猾な海外FXブローカーは取得していない金融ライセンスをホームページに載せていることもあります。その場合は監督機関のウェブサイトで該当する金融ライセンス・法人番号が存在するか検索して確認しましょう。
高額なボーナスを提供していない
初心者の方は高額ボーナスを提供している海外FXブローカーを使わないようにしましょう。
海外FXブローカーは送客のために100%入金ボーナスや100万円以上の入金ボーナスなどを提供することがあります。ただこうした高額ボーナスはアービトラージ取引で使う人が多く、ブローカーが対策を講じていないとすぐに数千万円単位のお金が抜かれてしまいます。
結果として新興ブローカーは資金不足になり、勝ちすぎたトレーダーに対してボーナス悪用取引・不正取引などの言い掛かりをつけて利益没収することがあります。
その代表例がGemForexとHastForexで、どちらもボーナスアービトラージやレイテンシーアービトラージで多額の資金を抜かれてしまい、残ったトレーダーに対して出金遅延・利益没収を連発しています。
高額ボーナスを提供している海外FXブローカーは出金リスクが高いです。100万円以上の資金を入金すべきではないですし、使うにしても利益を出したらすぐ出金することを心がけましょう。
なおXMは例外で、こまめにアービトラージャーを追い出しているため資金枯渇のリスクは低いです。どうしてもボーナスを使いたいなら、XMの3種ボーナスだけに絞りましょう。(XMのボーナス一覧へ)
スプレッド・取引コストが低い(USDJPYでトータル1.0pips以下)
海外FX口座はできるだけ取引コスト・スプレッドが低いものを選びましょう。具体的にはUSDJPYの取引コストがトータルで1.0pips以下なら合格点と考えます。
例えばXMのスタンダード口座はUSDJPYのスプレッドが1.6pipsと広めですが、同じXMのKIWAMI口座ならUSDJPYのスプレッドは0.8pipsと狭めです。
たった0.8pipsの差ですが、運用ロットが1.0ロットなら800円、5.0ロットなら4,000円の差になりますし、取引回数が100回を超えればその差はさらに広がります。
運用ロットが大きいほど、取引回数が大きいほど、取引コストの節約効果は大きくなります。 特に高ロットの裁量トレードをするなら、できるだけ取引コストが低い口座を選びましょう。
おすすめの海外FXブローカー・運用口座
ここからはおすすめの海外FXブローカーとその運用口座を紹介していきます。ランキングは個人的おすすめ順です。
1位:Tradeview cTrader口座
海外FXで裁量トレードをするなら、メイン口座はTradeview cTrader口座がおすすめ。スプレッド・約定力が優秀で、A-bookブローカーなのでVDPなどで嫌がらせされにくいです。
Tradeviewは高性能FXプラットフォーム「cTrader」に対応しており、メタトレーダー(MT4・MT5)にはない便利機能がたくさん備わっています。例えばパソコン上下キーでの時間足切り替え、Command+左右キーでのチャート切り替え、ドラッグ操作によるリミット・ストップ注文の設置・位置調整などですね。
またTradeview自体もbitwallet入出金に対応しており、XMと違って利益出金も可能です。海外FXのアフィリエイト報酬をトレード資金にするのにも向いています。
TradeviewのMT4 ILC口座はEA自動売買と相性が良いことで有名ですが、最大レバレッジが200倍と低め、0.1ロット未満の取引ができない、ストップアウトが100%と高めなど使い勝手が良くありません。そもそもEA自動売買の利益率がそこまで高くないため(月利5%ほど)、優先して使う必要はないでしょう。
Tradeviewの主要なデメリットはこちら。
TradeviewのようなA-bookブローカーは事業の収益力が控えめなため、サイトの改修にコストをかけられず、ウェブサイトも使いにくい傾向があります。またA-bookの海外FXブローカーはコンプライアンスにも厳しく、公式サイトの日本語情報も少なかったりもします。
それでもTradeviewは日本在住者が使える海外FXブローカーの中ではトップクラスの取引環境を誇ります。海外FXで資金100万円以上で本格的にトレードするなら、TradeviewのcTrader口座を優先的に使いましょう。
詳しくはTradeview公式サイトをご覧ください。

2位:AXIORY cTrader口座(ナノ口座)
海外FX初心者がcTraderをお試しで使ってみたいなら、AXIORYのcTrader ナノ口座もおすすめ。
AXIORYも高性能FXプラットフォーム「cTrader」に対応しており、メタトレーダー(MT4・MT5)よりも快適な裁量トレードができるようになります。
またAXIORYは会員ページが使いやすく、新規口座開設・入出金・追加口座開設・デモ口座開設もスムーズに行えます。おそらくAXIORYはB-bookブローカーとしてFX事業で十分に利益を出しており、ウェブサイト改修にも十分なコストをかけられるからでしょう。
Tradeviewの新規口座開設が難しい、あるいは会員ページが使いにくいと感じたら、まずはAXIORYのcTrader口座から使ってみましょう。
AXIORYの主要なデメリットはこちら。
- ゴールド(XAUUSD)の最大レバレッジが100倍と低め
- bitwallet入出金には対応していない
- B-bookブローカーなのでマイナススリッページが生じやすい(cTrader口座はデータ不十分)
- 仮想通貨取引ができない(ビットコイン・イーサリアムなど)
AXIORYの最大のデメリットは、ゴールド(XAUUSD)の最大レバレッジが100倍と低めなこと。
資金10,000ドル/1.0ロットでスイングトレードをする分には問題ないですが、資金10,000ドル/5.0ロット以上でハイリスクトレードをすると証拠金維持率ギリギリ(100%前後)になりロスカットされやすくなります。
またAXIORYはB-bookブローカーなので、ほとんどの決済で−0.2pipsほどのマイナススリッページが発生します。デイトレード・スイングトレードだと誤差の範囲ですが、利幅の小さいスキャルピングトレード・夜スキャEA・超高速売買(HFT)だと期待値が落ちてしまいます。
B-bookブローカーのAXIORYは取引環境こそTradeviewに劣りますが、ウェブサイトや会員ページが使いやすく海外FX初心者にはおすすめしやすいです。
詳しくはAXIORY公式サイトをご覧ください。

3位:XM スタンダード口座(MT5)
資金10万円前後で海外FXを始めるなら、XMのスタンダード口座がおすすめ。3種類のクッション機能付きボーナスを提供しており、10万円の入金額を17万円ほどに増やせます。
クッション機能付きボーナスを提供しているB-bookブローカーは出金リスクが高いとされていますが、XMはB-bookのブローカーの中では財務基盤が安定しており、出金拒否・出金遅延・利益募集リスクはかなり低いです。
これはXMの前身の会社が何度も出金拒否を引き起こしており、運営側にアービトラージ利用者の追い出しノウハウが身についているからですね。
大規模な出金拒否を起こすたびにTradingPoint→XEMarkets→XEM→XMと名前を変えてうまくいった例もあり、出金拒否業者が名前を変えるのはよくある手口です。
引用:マネーチャージャーはFX Fairが運営している件
アービトラージ取引はノーリスクで数千万円もの利益を得られるため、FX業者側が対策していないと資金が枯渇して、出金拒否・出金遅延などの原因になることがあります。
そのためXMで超高速売買(HFT)、夜スキャ(朝スキャ)EA、レイテンシーアービトラージ、ボーナスアービトラージなどを使うと、レバレッジ100倍制限・口座凍結・アカウント追放などのペナルティを受けることがあります。
新興の海外FX業者だと「アービトラージャーが荒稼ぎする→ブローカーが資金枯渇になる→出金拒否・利益没収が相次ぐ」というケースになりやすいですが、XMはこまめにアービトラージャーを追い出しているため資金枯渇や出金拒否になるリスクは低いです。
またXMはスワップフリーのKIWAMI口座も提供していますが、こちらはおすすめしません。スワップフリー口座はスワップアービトラージに利用されることが多く、ポジション保有期間が長すぎるとスワップフリーを取り消されることがあるからです。(ソース1・ソース2)
KIWAMI口座は低スプレッド+スワップフリーが売りでしたが、スワップアービトラージ利用者が増えたためか2023年9月あたりからスワップフリー取り消し・スプレッド悪化などが相次いでおり、利用するメリットが薄れつつあります。(ソース1・ソース2・ソース3・ソース4)
XMのおすすめな使い方としては、まず3種ボーナスで10万円の入金額を17万円ほどに増やし、それを100万円ほどに増やしてからAXIORY・TradeviewのcTrader口座に切り替えていく感じですね。
詳しくはXM公式サイトをご覧ください。
